DMUとは、BtoBの商談においてキーマンとなる「決裁権を持った意思決定者」のことです。
企業の購買プロセスには複数人が関与するため、マーケティング担当者や営業担当者がDMUを正確に把握できていなければ、適切なアプローチができずなかなか受注に至ることはできません。
そこで今回は、
などを詳しくご紹介します。
DMU(Decision Making Unit)とは、
のことです。
BtoCであればこのDMUは顧客ひとりですが、BtoBにおいては窓口担当者から承認者である上司、実際に決裁権を持つ経営陣までの複数人を指します。
この記事では法人におけるDMUの特徴を解説します。
DMUの把握は、意思決定構造が複雑になりやすいBtoBにおいて特に重視されます。
なぜなら企業の購買活動は意思決定にルールがあり、関与者が多いため、窓口担当者が納得しただけでは成約に至りません。そのため法人営業の成約率を上げるためには、ターゲットのDMU構造を正確に把握し、適切なアプローチを行うことが非常に大切です。
DMUを把握することはデジタルマーケティングの施策を考える上でも重要なポイントです。
ターゲットとなる企業のDMUの理解を深めることで、どのような媒体でどのようなコンテンツを作ればよいかなど、デジタルマーケティングの施策立案に役立ちます。
デジタルマーケティングの始め方については、コチラの記事もご覧ください。
BtoBにおいてDMUは複数人いることが当たり前です。
DMUはそれぞれの立場で購買を検討するため、重視するポイントやほしい情報が異なります。そのため企業の意思決定構造を分析し、DMUの範囲がどこまで広がるのか情報収集を行うようにしましょう。
DMUは商談の金額が増加するほど、縦構造に人数が増えるという特徴があります。
直接営業をうける窓口担当者から、
など、それぞれ購買の決裁権がエスカレーションしていくためです。
商談の内容によって、どこまでDMUに含めるべきかを慎重に検討しましょう。
DMUは縦方向だけでなく、
など横方向に増える可能性もあります。
特に複数部門に影響のある商品や、多人数で使用する製品などの商談では、DMUがどこまで横展開するかも想定しておくとよいでしょう。
DMUでは、窓口担当者と実際の使用者(エンドユーザー)が一致しないことも多々あります。
この場合「窓口担当者はコスト重視だが、エンドユーザーは利便性重視」など、ニーズに差異があることが一般的です。
そのため、それぞれの立場とニーズを見極めて適切なアプローチを行うことで、双方のDMUにとって魅力のある提案を行うことを心がけましょう。
企業におけるDMUは、立場や役割ごとに複数のタイプに分類できます。成約率向上のためにはDMUのタイプに合ったアプローチが求められるため、それぞれの特徴を把握しておきましょう。
ここでは、購買プロセスの順に6種類のDMUのタイプについて解説します。
使用者とは、企業が購入したサービスを実際に利用する人のことです。
使用者は購買プロセスにおいて、製品の使いやすさや性能を重視する傾向があります。BtoBでは一般的にこの使用者と購買者が異なるため、アプローチの仕方を間違えないようにしましょう。
起案者とは、企業課題や使用者からの要望をくみとり、改善のために商品選定や起案を行う人のことです。
起案者は使用者のニーズを重視するものの、経営全体を考慮して多方面から商品導入のメリット・デメリットを検討する役割があります。法人営業ではまず、起案者が納得できるようアプローチを行うことが大切です。
関与者/影響者(インフルエンサー)とは、購買の決裁に影響を与える情報提供者のことです。
例えば医療関係の企業などでは、
など、権威のある人々がインフルエンサーになることもあります。
購買プロセスには直接関与しないものの、インフルエンサーは複数の立場からアドバイスや意見提供を行い、実際の決裁者の判断を左右するためDMUに含みます。
決定者/承認者(ディサイダー)とは、商談の決裁権を持つ最終意思決定者です。
金額や内容によって異なりますが、基本的に
などがディサイダーです。
使用者や起案者が納得していても、ディサイダーの決裁が下りなければ稟議は通らないため、事前にディサイダーのニーズをどこまでヒアリングできているかが商談成功の鍵となります。
購買者とは企業の購入担当者で、価格や最低使用期間などの取引条件の具体的な調整を担っています。
製品自体より予算コストパフォーマンスを重視する傾向があるため、具体的な数値を用いた費用対効果などをまとめておくとよいでしょう。
チェッカーとは、最終的な契約条件や予算などの情報を確認し、ディサイダーに決定をうながす担当者です。
熟練の現場担当などがチェカーの役割を担うため、厳しい目で商談内容を確認されます。競合との比較情報や導入後のシミュレーションなど、必要な情報を工夫しながら提供することが重要です。
BtoBマーケティングにおいて、DMUの関係性やそれぞれのニーズを事前に把握できれば、商談をスムーズに進めることができます。
そこで役立つのがDMUマップという、意思決定プロセスの全体図です。
DMUマップとは、
などを地図(マップ)化し、決裁プロセスの全体像を可視化した図のことです。
それぞれのDMUの影響力や、意思決定に影響を与えるタイミングを整理することで、的確なアプローチを行う手助けになります。
DMUマップを作るメリットは、DMU同士の関係性やつながりを明確にできることです。
BtoBが対象とする顧客は個人ではないため
を、DMUマップをもとに把握し、それぞれのニーズに合った対策を行うことが求められます。
DMUマップの作成は、以下の手順に沿って行います。
商談や営業担当を通じてヒアリングを行います。
など、マップ作成に必要な情報収集を行いましょう。
起案者を中心にその上司や役職者などのDMUの情報をマップ化し、購買プロセスのラインを明確化します。
また、
も、あわせてDMUマップに記載しておくようにしましょう。
それぞれのDMUの配置が完了したら、最後に各DMUの関係性を書き込みます。
これでDMUマップの作成は完了です。
DMUマップ作成の際には
に気をつけましょう。
中小企業の場合、下記2つのケースがあります。
case 1 DMUが社長ひとり
case 2 起案者がそのまま最終決裁
商談が長期化すれば人事異動などが起こることも想定し、定期的にDMUマップを更新できる体制を整えておくことが重要です。
DMUとは「購買プロセスにおけるすべての関与者」を指し、法人営業ではDMUを考慮したアプローチを行うことで、商談を有利に進めることができます。
DMUを理解することはBtoBマーケティングにも役立つため、効果的な施策立案のためにはDMUのポイントをおさえておくことも重要です。
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もし、BtoB営業の成約率が上がらずに悩んでいたり、DMUを活用したマーケティングにご興味がある場合は、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。