マーケティングの世界では「大きな戦略」にばかり目が向きがちですが、実は成果を左右するのは“ちょっとした工夫”だったりします。
例えば、メールの件名を少し変えるだけで開封率が跳ね上がったり、SNSの投稿に一文加えるだけでエンゲージメントが伸びたり——。数字に直結する改善の多くは、コストをかけずにすぐ試せるものです。
今回は、そんな“知らないと損する”マーケティング豆知識を5つ厳選しました。
どれも明日から実践できる具体的な改善ネタばかり。ちょっと手を加えるだけで、CVRやCTRが改善されるヒントをまとめています。ぜひ日々の運用に取り入れて、成果アップのきっかけにしてください。
執筆:檜田詩菜(過去のインタビューはこちら)
コクーのマーケティング担当。鹿児島県出身。数年前まで美容コスメ・雑誌・不動産・IT業界の顧客マーケティングを担当。好きな豆腐は木綿。
配信や広告運用を続けていると、最初は成果が伸びても、だんだん数字が横ばいになるタイミングが訪れます。
「開封率が下がってきたな…」
「クリック率が伸びない…」
「CVRが頭打ちになっている…」
そんなときこそ、ちょっとした改善が効果を発揮します。
大きなリニューアルや予算追加をしなくても、日々の運用に小さな工夫を加えるだけで成果は動き出します。
それでは早速、現場ですぐに試せる改善ネタを5つご紹介します。
LINEは今や、メールや電話以上にユーザーとの接点になりやすいチャネル。
特に“あいさつメッセージ”は、友だち追加直後に必ず見られる最初の一通であり、ここで好印象を与えられるかどうかが、その後のコミュニケーション全体を左右します。
ありがちなのは「友だち追加ありがとうございます!」と一文だけで終わってしまうケース。
これではブロック率が高まり、せっかくの接点が活かせません。
そこで、次の3つの要素を盛り込むのがおすすめです。
最初に「誰がどんな価値を届けるのか」を簡潔に示しましょう。
「友だち追加ありがとうございます!よろしくお願いします。」
「◯◯エリアで人気の美容サロン△△です。髪と心を整える最新ケアを毎週お届けします!」
「このアカウントを登録しておくと得られるもの」を明確に。
人によってニーズは異なるので、「予約する」「商品を見る」「問い合わせる」など複数のボタンを用意しましょう。最初から行動を選べる仕組みを作ることで、ユーザーは迷わずアクションできます。
メールマーケティングの世界では、本文がどんなに優れていても「件名が開かれなければ存在しないのと同じ」です。実際、開封率の数%の差が売上やCVRに直結します。
そこで効果的なのが「記号」と「数字」を組み合わせること。
人は無意識に“具体性”と“目立つ要素”に反応するため、件名にちょっと工夫を加えるだけで成果が変わります。
受信トレイには無数のメールが並びます。
その中で「【 】」「★」「▶」などの記号が入っていると、自然と視線を引きます。
セミナー開催のお知らせ
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「3つの方法」「90日で実現」などの数字を入れると、読者は「短時間で理解できそう」と直感的に感じます。
特に“奇数”や“期間限定”は目に留まりやすい傾向があります。
SEO改善のポイント
【保存版】SEO改善の3つのポイント
すべての業界・ターゲットに同じルールが当てはまるわけではありません。
BtoB向けでは「専門性+数字」、BtoC向けでは「感情+記号」が強いケースも。
A/Bテストで「記号の有無」「数字の位置」を比較しながら、最適解を見つけていきましょう。
広告バナーを作るとき、多くの人が「デザインの綺麗さ」や「コピーの強さ」ばかりに注目しがちです。
もちろんそれも大切ですが、実は人の“視線の動き”を意識したレイアウト次第で、クリック率(CTR)が大きく変わります。
人は無意識に「目線が向いている方向」や「矢印」に注目する傾向があります。
これを活かすだけで、バナーが自然に「クリックしたくなるデザイン」に変わるのです。
人物写真やイラストを使う場合、その目線がどこを向いているかで印象はガラッと変わります。
写真の人物が正面を見ているだけのバナー
写真の人物の目線を「商品」や「CTAボタン」に向ける
矢印「→」「▶」や指さしアイコンなども、視線誘導の強力なツールです。
特にCTAボタンに向けて配置するだけで「ここを押すべき」というメッセージが直感的に伝わります。
視線誘導があっても、ゴールが目立たなければ意味がありません。ボタンは背景とコントラストを強めに設定し、「今すぐ登録」「資料ダウンロード」など、具体的な行動を示すコピーを組み合わせましょう。
動画は“見て楽しむもの”と思われがちですが、実は「文字情報」が検索に大きく影響しています。
特にTikTokやYouTubeでは、字幕テキストやキャプションがそのまま検索エンジンやアプリ内検索に拾われ、SEO効果を生み出します。つまり「字幕を入れるかどうか」で動画の露出量が大きく変わるのです。
GoogleやTikTokのアルゴリズムは、動画の映像だけでなく「字幕」「キャプション」から内容を理解しています。
字幕なしの動画
正確な字幕を入れた動画
字幕はSEOだけでなく、ユーザー体験の面でも効果的です。
「見やすい動画=最後まで視聴されやすい動画」なので、結果的にエンゲージメントやアルゴリズム評価も上がります。
自動生成に頼りすぎない:誤変換は信頼性を損なう
キーワードを自然に含める:不自然な詰め込みは逆効果
改行や句読点で読みやすく:視聴者にとっての“快適さ”を優先
字幕は“SEO対策の裏ワザ”であると同時に、“ユーザーの心をつかむ工夫”でもあります。
動画を作る際は「映像+音+字幕」の三点セットで仕上げるのが、新しい常識です。
Google検索は今、「答えをクリックせずに得られる=ゼロクリック検索」が急増しています。
ユーザーは検索結果のスニペットを読むだけで満足してしまい、サイトまで来ないケースが多いのです。
そこで注目したいのがFAQページ。よくある質問と回答を整備しておくと、検索結果に直接抜粋されやすくなり、自社の存在感を大きくアピールできます。
GoogleはFAQコンテンツを「ユーザーにとって有益な回答」と判断すると、検索結果にQ&Aをそのまま表示することがあります。
商品ページしかなく、検索にヒットしても流入は少ない。
「◯◯の使い方は?」「△△と比較した違いは?」といったFAQを整備
FAQは「よくある質問」だけでなく「よくある誤解」も扱うのがコツです。
こうした不安を事前に解消できれば、比較検討の段階で優位に立てます。
FAQページは構造化データ(FAQ Schema)を設定することで、検索結果にリッチリザルトとして表示されやすくなります。開発リソースがあれば、SEO担当と連携して必ず実装しておきたいポイントです。
FAQは単なるサポートページではなく、「検索流入を呼び込み、信頼を醸成する入り口」です。
ゼロクリック時代でも選ばれるブランドを目指すなら、FAQはまさに“必須コンテンツ”といえます。
マーケティングの成果は、大きな施策や派手なキャンペーンだけで決まるわけではありません。
むしろ日々の運用の中で「ちょっと変えてみる」「小さく試す」——その積み重ねが、開封率やCTR、CVRといった数字を確実に押し上げていきます。
今回ご紹介した5つの豆知識は、どれも特別な予算やツールを必要とせず、すぐに実行できる改善ネタばかりです。しかも、小さな工夫は気づかれにくい分、やった人とやらなかった人の差が大きく広がります。
マーケティングの世界に「必ず正解」はありません。だからこそ、“気づいたらすぐ試す”姿勢が何よりの武器になります。ぜひ明日からの業務に取り入れて、「知らないと損」を「知って得する成果」へ変えていきましょう。
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