マーケティング施策というと、大きな広告費や大規模キャンペーンを思い浮かべがちですが、実は成果に直結するのは、日々の“小さな改善”の積み重ねだったりします。
今回は、今すぐ実践できて、しかも成果につながりやすい5つの改善ネタを、2025〜2026年の最新トレンドを踏まえてご紹介します。
「大きな予算はかけられないけど、成果は出したい」という方にこそ、ぜひ取り入れていただきたい内容です。
執筆:檜田詩菜(過去のインタビューはこちら)
コクーのマーケティング担当。鹿児島県出身。数年前まで美容コスメ・雑誌・不動産・IT業界の顧客マーケティングを担当。好きな豆腐は木綿。
配信や広告運用を続けていると、最初は成果が伸びても、だんだん数字が横ばいになるタイミングが訪れます。
「開封率が下がってきたな…」
「クリック率が伸びない…」
「CVRが頭打ちになっている…」
そんなときこそ、ちょっとした改善が効果を発揮します。
大きなリニューアルや予算追加をしなくても、日々の運用に小さな工夫を加えるだけで成果は動き出します。
それでは早速、現場ですぐに試せる改善ネタを5つご紹介します。
LINE公式アカウントのあいさつメッセージは、ユーザーと最初に接点を持つ重要なポイントです。
単なる「友だち追加ありがとうございます」だけで終わらせず、自社サービスの強みや、次のアクションへの導線をしっかり設計することが重要です。
LINE公式アカウントのあいさつメッセージは、一律配信ではなく、A/Bテストとパーソナライズが前提の設計が主流です。登録時の属性や流入経路に応じてメッセージを出し分けることで、初回ブロック率の低下とCV率の向上が期待できます。
こうした工夫だけでも、友だち追加後のアクション率は大きく変わってきます。
最初に「誰がどんな価値を届けるのか」を簡潔に示しましょう。
「このアカウントを登録しておくと得られるもの」を明確に。
✔ 限定クーポン
✔ 最新情報の先行配信
✔ お役立ちノウハウ
人によってニーズは異なるので、「予約する」「商品を見る」「問い合わせる」など複数のボタンを用意しましょう。最初から行動を選べる仕組みを作ることで、ユーザーは迷わずアクションできます。
メールマーケティングにおいて、件名は開封率を左右する最大の要素です。
これまでよく使われてきたのが、「【無料】」「【〇月開催】」のような記号+数字パターンです。
現在は「記号+数字」だけでなく、“誰向けか”が一瞬でわかるセグメントワードを含めた件名が主流です。
さらに、配信時間を過去の開封データから最適化することで、開封率・クリック率ともに安定して伸ばすことが可能になります。
受信トレイには無数のメールが並びます。
その中で「【 】」「★」「▶」などの記号が入っていると、自然と視線を引きます。
同じ内容でも、見つけやすさと印象が大きく変わります。
「3つの方法」「90日で実現」などの数字を入れると、読者は「短時間で理解できそう」と直感的に感じます。
特に“奇数”や“期間限定”は目に留まりやすい傾向があります。
すべての業界・ターゲットに同じルールが当てはまるわけではありません。
BtoB向けでは「専門性+数字」、BtoC向けでは「感情+記号」が強いケースも。
A/Bテストで「記号の有無」「数字の位置」を比較しながら、最適解を見つけていきましょう。
広告バナーでは、人物の視線や矢印などを使って、ユーザーの視線を自然とボタンへ誘導する設計が重要です。
色のコントラストやフォントサイズの調整だけでも、CTR(クリック率)は大きく改善します。
現在は、静止画だけでなく短尺動画・アニメーションを活用した動きのある視線誘導が主流です。さらに、ユーザーの声や実績データを組み合わせたUGC風クリエイティブを入れることで、視線誘導だけでなく“信頼性”も同時に高めることができます。
これらを組み合わせることで、広告の反応は大きく変わります。
人物写真やイラストを使う場合、その目線がどこを向いているかで印象はガラッと変わります。ユーザーも自然に同じ方向を見て、クリックに誘導されやすくなります。
矢印「→」「▶」や指さしアイコンなども、視線誘導の強力なツールです。
特にCTAボタンに向けて配置するだけで「ここを押すべき」というメッセージが直感的に伝わります。
視線誘導があっても、ゴールが目立たなければ意味がありません。ボタンは背景とコントラストを強めに設定し、「今すぐ登録」「資料ダウンロード」など、具体的な行動を示すコピーを組み合わせましょう。
動画マーケティングは今や欠かせない施策ですが、字幕の有無が視聴維持率や検索流入に大きく影響します。
音を出せない環境で視聴するユーザーも増えているため、字幕対応は必須になりつつあります。
TikTokやYouTubeの字幕は、現在ではSEOだけでなく、AI検索・音声検索にも影響する重要要素となっています。
また、動画説明文やハッシュタグの最適化もあわせて行うことで、マルチチャネルからの流入増加が期待できます。
GoogleやTikTokのアルゴリズムは、動画の映像だけでなく「字幕」「キャプション」から内容を理解しています。
字幕はSEOだけでなく、ユーザー体験の面でも効果的です。
「見やすい動画=最後まで視聴されやすい動画」なので、結果的にエンゲージメントやアルゴリズム評価も上がります。
字幕は“SEO対策の裏ワザ”であると同時に、“ユーザーの心をつかむ工夫”でもあります。
動画を作る際は「映像+音+字幕」の三点セットで仕上げるのが、新しい常識です。
最近では、FAQページを整備したり、構造化データを設定したりすることで、検索結果により目立つ形で表示される工夫も重要になっています。
最近では、単なるSEO対策にとどまらず、AI検索(AIO:AI Optimization)を意識したFAQ・構造化データの整備が重要になっています。
これにより、ゼロクリック検索対策+問い合わせ削減+LTV向上まで同時に狙うことができます。
GoogleはFAQコンテンツを「ユーザーにとって有益な回答」と判断すると、検索結果にQ&Aをそのまま表示することがあります。
FAQは「よくある質問」だけでなく「よくある誤解」も扱うのがコツです。
こうした不安を事前に解消できれば、比較検討の段階で優位に立てます。
FAQページを整備し、構造化データ(FAQ Schema)を設定することで、GoogleだけでなくAI検索(生成AIを使ったサーチ結果)においても情報が参照されやすくなります。
つまり、単なるSEO対策ではなく、“AIにも理解されやすい情報設計” を前提にするのが、これからのサイト運用における新しい基本です。
マーケティングの成果は、大きな施策や派手なキャンペーンだけで決まるわけではありません。
むしろ日々の運用の中で「ちょっと変えてみる」「小さく試す」——その積み重ねが、開封率やCTR、CVRといった数字を確実に押し上げていきます。
今回ご紹介した5つの豆知識は、どれも特別な予算やツールを必要とせず、すぐに実行できる改善ネタばかりです。しかも、小さな工夫は気づかれにくい分、やった人とやらなかった人の差が大きく広がります。
マーケティングの世界に「必ず正解」はありません。だからこそ、“気づいたらすぐ試す”姿勢が何よりの武器になります。ぜひ明日からの業務に取り入れて、「知らないと損」を「知って得する成果」へ変えていきましょう。
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