広告をどれだけ工夫しても、ランディングページ(LP)の設計がずれていると成果は出ません。
逆に、LPがいくら美しくても、広告で伝わるメッセージが弱ければユーザーはたどり着きません。
広告とLPは、まるでリレーのバトンのような関係です。
広告が関心を引き、LPが信頼と行動を生み出す。
この2つの連携がスムーズに回り始めたとき、コンバージョン率(CVR)は大きく伸びていきます。
本記事では、2025年の最新トレンドをふまえながら、広告プランナーが押さえておくべき「広告×LP設計の基本と改善ポイント」を、初心者にもわかりやすく解説します。
小さな見直しが、大きな成果につながる。そのヒントを一緒に探っていきましょう。
執筆:檜田詩菜(過去のインタビューはこちら)
コクーのマーケティング担当。鹿児島県出身。数年前まで美容コスメ・雑誌・不動産・IT業界の顧客マーケティングを担当。サスペンスLOVE。
広告とLPは、ユーザーの体験をつくる“ひとつのストーリー”です。
広告で興味を持ったユーザーがLPに訪れた瞬間、「あ、さっきの広告の内容だ」と自然に感じられることが理想です。そのために最も大切なのが、訴求の一貫性です。
また、「誰に・何を・どう感じてほしいか」という軸を広告とLPで共通化するのも重要です。
たとえば以下のように整理してみると、設計のズレを防げます。
さらに、媒体ごとにLPを最適化することも効果的です。
といったように、流入経路に合わせた訴求を意識するとCVRが上がりやすくなります。
広告とLPを別々に作らない。
この視点を持つだけで、広告予算のもったいない消費を防げます。
成果を出すランディングページ(LP)には、共通した型があります。
どんな業種・商材でも、この型を意識して作ることで、伝わりやすく・行動されやすいページに整えることができます。下の表は、LPを構成する主なパートと、その役割をまとめたものです。
LPの中でも最も重要なのがファーストビューです。
ここで意識したいのは、見た瞬間に伝わる構図です。
「きれいなデザイン」よりも、「意図が一瞬で伝わること」を優先しましょう。
ユーザーは「問題を認識 → 共感 → 解決策を比較 → 行動」という心理で動きます。
その流れに沿って構成を設計すると、自然と読み進めたくなるページになります。
例えば――
この流れを意識するだけで、LP全体が“伝わるストーリー”に変わります。
2025年の今、8割以上のユーザーがスマホからLPを見ています。
そのため、縦スクロールでの読みやすさとボタンの押しやすさを重視しましょう。
スマホでは1画面に1メッセージが基本です。文章を短く区切り、余白をしっかり取ることが大切です。
LPは一度作って終わりではありません。
公開した瞬間から「検証と改善」がスタートです。
広告経由で集めたユーザーが、どこで離脱し、どこで反応しているかを見えるようにし、継続的に調整を重ねていくことで、成果が伸びていきます。
まずは数値を見ましょう。
Google アナリティクス(GA4)やヒートマップツール(例:UserHeat、Clarityなど)を使うと、問題点が見えてきます。
改善は勘ではなく、データ+仮説で考えるのがコツです。
A/Bテストを実施し、どちらのバージョンが成果を上げるかを検証します。
テスト結果をもとに、良かった要素を本番ページへ反映します。
改善が成功した理由も記録しておくと、次の仮説づくりに役立ちます。
特に2025年現在は、AIを活用したLPO支援ツールも増えており、自動でボタン配置やキャッチコピーの改善案を出してくれるサービスも登場しています。限られたリソースでも効率的に改善サイクルを回せる時代です。
LP最適化は「一度の大修正」より、「小さな改善を積み重ねる」ほうが結果につながります。
ユーザーの行動を観察し、仮説を立てて少しずつ変えていく。
この積み重ねが、広告費をムダにしない“地力のあるLP”を育てます。
LP/広告設計の世界も日々進化しています。
ここでは、これからの時代に特に注目されている要素を5点紹介します。
新しい潮流を理解しておくことで、競合との差別化や改善のヒントにつながります。
広告 → 直接LP という流れだけでは、直帰率や態度変容不足の課題が残りやすい傾向があります。
その中で、“クッションLP”を中継して態度変容させたり、興味レベルを判断したりする構成が注目されています。
この方式を導入すると、広告流入の“薄い関心”ユーザーを逃しにくくなる可能性があります。
ユーザー属性やアクセス履歴、広告の訴求内容に応じてLPの内容を出し分ける、動的LP(パーソナライズ表示)が重要度を増しています。
こうした個別最適化により、「今そのユーザーに刺さる情報」にすることで離脱を減らせます。
静的なテキスト・画像だけでなく、
などの動きを取り入れるLPが増えています。
ユーザーに“動きを感じさせる設計”は、興味を引くきっかけになり得ます。
LPが遅いと、その時点で離脱を生むリスクが高まります。
特にスマホでの回線が安定しない環境では、速度の違いが成果に直結しやすくなります。
AI の進化により、従来の手動によるABテストに加えて、自動生成・最適化を組み込んだ運用が広がっています。
最近注目の動きとしては、
などがあります。
今後は、AIを“助手”として使いながら改善サイクルを高速化する取り組みが主流になっていくでしょう。
広告とLPは“つながりの質”が成果を左右します。
ここでは、制作・運用時に見落としがちなポイントを、チェックリスト形式で整理しました。
案件や改善打ち合わせの前に、ぜひ一度見直してみてください。
■ 広告で伝えているベネフィットが、LP冒頭にも反映されている
■ 広告文・見出し・画像のトーンがLPとずれていない
■ LP冒頭のコピーを見ただけで「広告の続き」と分かる
■ ファーストビューに「何が得られるか」が明確に書かれている
■ CTA(行動ボタン)が複数箇所に設置されている
■ 実績・データ・お客様の声など、信頼を支える要素がある
■ スマホで見ても読みやすく、押しやすい設計になっている
■ GA4やヒートマップで離脱ポイントを定期的に確認している
■ A/Bテストを計画的に実施している
■ フォームの入力項目を定期的に見直している(EFO対策)
■ ページ表示速度のチェックを行っている
■ 改善履歴を残して、社内でナレッジ共有している
■ クッションLPや動的表示など、新しい手法を試している
■ AIや自動化ツールを活用して改善サイクルを短縮している
■ デザインだけでなく“体験の設計”を意識している
広告とLPは、まったく別のものに見えて、実は同じ目的を持つパートナーです。
広告が「気づき」をつくり、LPが「行動」を促す。
この2つの歯車がきれいに噛み合ったとき、コンバージョンは自然と伸びていきます。
2025年の今は、AIやデータツールの進化で、改善のハードルもぐっと下がりました。
とはいえ、最後に成果を決めるのは「ユーザーがどう感じるか」。
数値だけにとらわれず、ユーザーの目線で体験を見直していくことが、広告プランナーとしての一番の成長ポイントです。
当社では、今抱えていらっしゃる課題をしっかりと把握し、解決のご提案・対応させていただくデジマ女子というサービスがございます。
デジマ女子では、広告設計からLP改善、レポート分析まで、伴走型でサポートしています。
「広告は出しているけれど成果が安定しない」「LP改善に時間が取れない」
そんなときは、ぜひお気軽にご相談ください。
小さな見直しから、大きな変化を一緒に作っていきましょう。