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【2025年最新版】URLパラメータとは?アクセス解析や広告効果を正しく見るための基礎知識

作成者: admin_dg|Oct 12, 2022 12:00:00 AM

はじめに|URLの「?」以降に隠されたヒミツ

日々のWebマーケティングでよく見る「URLの後ろに付いている英数字」。
それが「URLパラメータ」です。
例えば、広告をクリックしたときに表示されるURLがこんなふうになっていること、ありませんか?

https://example.com/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=spring_sale

この「?utm_source=〜」以降の部分が、URLパラメータ。
アクセス解析ツールで「どの広告から流入したか」などを正しく把握するために使われます。
意外と知られていませんが、広告運用やレポート精度に大きく影響する重要な仕組みなんです。

このコラムでは、URLパラメータの基本から、広告・解析での活用方法、2025年の最新トレンドまでをやさしく解説します。

執筆:檜田詩菜(過去のインタビューはこちら

コクーのマーケティング担当。鹿児島県出身。数年前まで美容コスメ・雑誌・不動産・IT業界の顧客マーケティングを担当。好きな豆腐は木綿。

 

URLパラメータとは?

URLパラメータとは、WebページのURLの末尾に付ける「追加情報」です。

この情報を使うことで、アクセスの出所(どこから来たか)や経路(どんな手段か)を判別できるようになります。たとえば、こんなURLを見たことがある方も多いでしょう。

https://example.com/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=spring_sale

ここで、

というように、アクセスの名札を付けているのがURLパラメータです。

仕組みとしてはとてもシンプルで、

https://ドメイン/ページ?パラメータ名=値

という形で書きます。

このようにしておくと、解析ツール(GA4など)がURLの情報を読み取り、
「Googleメール経由でイベント2025キャンペーンから流入したユーザー」として自動的に分類してくれます。

URLパラメータの基本構成

どうして必要なの?

GA4などの解析ツールは、URLパラメータを使って流入元を認識します。

もしパラメータがない場合、アクセスは「direct(直接流入)」として処理されてしまい、本当はSNS経由なのか、広告なのかが分からなくなってしまいます。

その結果、成果のあった施策が正しく評価されず、改善の方向性も見えにくくなるのです。
つまり、URLパラメータは“データの精度を支える基礎”といえます。

UTMパラメータの種類と意味を理解しよう

URLパラメータの中でも、Googleアナリティクス(GA4)で一般的に使われるのがUTMパラメータです。

UTMとは「Urchin Tracking Module」の略で、Googleが提供する解析用の標準フォーマット。
全部で5種類あり、それぞれの役割を理解しておくことが大切です。


例で見てみましょう

このURLをInstagramの広告に設定した場合、「InstagramのバナーAから、春のセールキャンペーンに来たユーザー」としてGA4に記録されます。

https://example.com/?utm_source=instagram&utm_medium=social&utm_campaign=spring_sale&utm_content=bannerA

レポート上では、以下のようにデータを分けて分析できます。

つまり、UTMパラメータを付けることで、「誰が・どこから・どんな形で」来たのかが明確になります。

命名ルールを決めておこう

実務でありがちな失敗が「パラメータの名前がバラバラ」問題です。

例:パラメータの名前がバラバラ

  • utm_source=Instagram と utm_source=instagram(大文字・小文字違い)

  • utm_medium=social と utm_medium=sns(ルール統一なし)

こうなると、GA4上で別データとして集計されてしまいます。

ここまでで、URLパラメータの「意味」と「構成」は理解できました。
次の章では、いよいよ実際に作る手順を具体的に解説します。
目的設定から命名ルール、Google公式ツールでの生成方法まで、ステップごとに見ていきましょう。

【実践】URLパラメータの作り方ステップガイド

ここからは、「実際にどう作るのか?」をステップ形式で解説します。
特別なツールや知識は必要ありません。今日から自分で設定できるようになります!

ステップ1:目的を決める

最初に決めるべきは「何を知りたいのか」。
URLパラメータは闇雲に付けても意味がなく、目的が明確でないとデータが活きません。

目的を決めたら、それに沿って「source(媒体)」「medium(手段)」「campaign(施策)」を考えます。

ステップ2:命名ルールを決める

分析を続けていくと、施策や媒体がどんどん増えていきます。
そのときに一番困るのが、「どのパラメータが何の意味だったか分からない…」という状況。

それを防ぐために、あらかじめ社内ルールを決めておくことが大切です。

ルール設定のコツ

よくある混乱例

  • utm_source=Facebook
  • utm_source=facebook
  • utm_medium=sns
  • utm_medium=social

同じチームで複数人が設定する場合は、「共通の命名テンプレート」を持っておくとミスを防げます。

ステップ3:GoogleのURL生成ツールを使う

手動で1つずつ書くのは大変…というときに便利なのが、Google公式の「キャンペーンURLビルダー」です。

▶ Google公式ツール
https://ga-dev-tools.google/campaign-url-builder/
このページでフォームに入力するだけで、自動的に正しいUTM付きURLが生成されます。

入力項目の例

入力が終わると、自動で以下のようなURLが作成されます。

https://example.com/utm_source=instagram&utm_medium=social&utm_campaign=summer_sale&utm_content=banner_a

これを広告・メルマガ・SNS投稿などに貼り付けるだけでOKです。

ステップ4:SNSや広告で使うときの注意点

① URLが長くなると見た目が悪い

SNS投稿やメール本文に長いURLを貼ると、見た目が崩れたりクリック率が下がることがあります。

② 日本語を含むと文字化けする

日本語を含めると、%E3%81%82%E3%81%84%E3%81%86%E3%81%88%E3%81%8Aのように変換され読みにくくなります。

③ SNS内でパラメータが切れるケースも

一部SNS(特にXやLINE)では、「?」以降がカットされる場合があります。

④ 広告の自動タグ付けとの重複に注意

Google広告などでは「gclid」、Meta広告では「fbclid」などが自動的に付与されます。

ステップ5:記録・管理を習慣化する

URLを毎回作ると、「どれをどこで使ったか」が分からなくなることも。

管理表の例

よくある設定例|目的別サンプルURL

ここでは、実際にマーケ現場でよく使われる3つのケースを紹介します。
「どんなときに、どう設定すればいいか」がイメージできるようになります。

ケース① SNS投稿の効果を測りたい

目的: InstagramやX(旧Twitter)などの投稿からの流入を把握する
設定例:

https://example.com/utm_source=instagram&utm_medium=social&utm_campaign=brand_awareness

ポイント

  • 投稿・ストーリーズ・プロフィールリンクなど導線別にパラメータを分けるとより精度が上がります。
  • 同じキャンペーンでも「medium」をsocialに統一しておくと集計がスムーズ。

ケース② メルマガ・LINE配信の効果を比較したい

目的: 配信チャネルごとのクリック率・CVRを比較する
設定例:

https://example.com/utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=autumn2025_sale
https://example.com/?utm_source=line&utm_medium=chat&utm_campaign=autumn2025_sale

ポイント

  • 同一キャンペーンでもsourceを分けておくと、媒体別の成果が見やすい。
  • 「メールが読まれやすい曜日」などの傾向も見えてきます。

ケース③ 広告クリエイティブ別に比較したい

目的: 広告バナーAとB、どちらの成果が良いか比較する
設定例:

https://example.com/utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=winter_sale&utm_content=banner_a
https://example.com/utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=winter_sale&utm_content=banner_b

ポイント

  • 「utm_content」でクリエイティブ名を識別。
  • CTR、CVRを比較することで、次の広告改善のヒントに。

ケース④ セミナーやイベントの申込み経路を追いたい

目的: イベントページの集客経路を分析したい
設定例:

https://example.com/?utm_source=linkedin&utm_medium=social&utm_campaign=seminar2025&utm_content=post_a
https://example.com/?utm_source=email&utm_medium=email&utm_campaign=seminar2025&utm_content=reminder

ポイント

  • SNSとメールの両方に同じutm_campaignを使うと、どの経路が集客に貢献したかが分かる。
  • GA4で「キャンペーン別→媒体別」のディメンションを使うと可視化しやすい。

ケース⑤ LPごとの比較をしたい

目的: 同じ広告でも、誘導先LPごとの成果を確認したい
設定例:

https://example.com/lpA/?utm_source=meta&utm_medium=cpc&utm_campaign=trial_lp&utm_content=version_a
https://example.com/lpB/?utm_source=meta&utm_medium=cpc&utm_campaign=trial_lp&utm_content=version_b

ポイント

  • ランディングページ単位の効果検証が可能に。
  • 「LPのどこでCVに差が出るか」を明確にできます。

【2025年版】URLパラメータ運用の注意点と変化

ここ数年で、URLパラメータを取り巻く環境にも大きな変化がありました。

  • 広告配信の自動化
  • プライバシー保護の強化

など、従来のやり方ではデータが正しく取れなくなるケースも出てきています。

ここでは、2025年時点で押さえておきたい重要ポイントを整理します。

① 自動タグ付け機能の進化(gclid・fbclid)

Google広告やMeta広告では、自動タグ付けが標準機能になっています。
設定をONにしておくと、広告クリック時に自動的に識別用のタグが付与され、
手動でUTMを設定しなくても流入経路を計測できる仕組みです。

注意点

② プライバシー保護強化による“パラメータ削除”問題

SafariやChromeなどのブラウザでは、2024年以降、トラッキングパラメータを自動的に削除する仕組みが進んでいます。特にiOSのSafariでは、fbclidgclidなどがURL共有時に除外されるケースが確認されています。

そのため、2025年以降は「URLパラメータだけに頼らない計測」が重要に。

対応策

広告主・代理店を問わず、「計測の多層化」がトレンドになっています。

③ GA4での流入データ表示の変化

GA4では、従来の「チャンネル(参照元/メディア)」がより自動分類化されました。
つまり、UTMパラメータの内容を正確に設定していないと、GA4の「デフォルトチャネルグループ」がうまく反映されません。

正しく分類されるためのコツ

このように、Google推奨のフォーマットに合わせて命名しておくと、GA4の集計で自動的に正しいグループに分類されます。

④ URLパラメータとリダイレクト設定の関係

LPやキャンペーンURLがリダイレクトを経由する場合、パラメータが途中で失われることがあります。
特にURL短縮サービスやCMS設定に注意が必要です。

チェックポイント

GA4では、計測が途切れる原因の約2割が「リダイレクトによるパラメータ消失」とも言われています。

データ活用編|GA4やLooker Studioで確認する方法

URLパラメータを付けたあとは、「正しく計測できているか」を必ず確認しましょう。
ここでは、GA4とLooker Studioでの基本確認方法を紹介します。

GA4で確認する手順

① 右メニュー「集客」→「トラフィック獲得」を開く

このレポートでは、「参照元/メディア」「キャンペーン」ごとのデータが見られます。

② 表示切り替えで「セッションキャンペーン」「セッションソース/メディア」を選択

ここに、UTMで設定したcampaign名・source・mediumが表示されていればOKです。

Looker Studioでの可視化方法

Looker Studioを使うと、URLパラメータごとの成果をグラフや表で見やすく可視化できます。

設定例

  1. データソースにGA4を接続

  2. ディメンションに「キャンペーン」「参照元」「メディア」を追加

  3. 指標に「セッション数」「コンバージョン数」「CVR」を設定

  4. グラフ形式で成果を比較表示

『確認できていない』はチャンスを逃すサイン

パラメータを付けただけでは意味がありません。
データを見て改善できる状態にすることがゴールです。

たとえば、Instagramからの流入が多くてもCVが少ないなら、
「訴求メッセージが弱い」「遷移先がスマホ向けでない」など、具体的な仮説を立てる材料になります。

よくあるトラブルと対処法

URLパラメータは便利ですが、設定や運用を間違えると正しいデータが取れなくなります。
現場でよくあるトラブルと、その解決策をまとめました。


まとめ|タグをつける=データを育てる

URLパラメータは、見た目には小さな文字列ですが、その裏には「どの施策が成果を出しているのか」を明確にする力があります。

毎日の投稿や広告に少しの工夫を加えるだけで、あなたのマーケティング活動が勘から根拠に変わる。

大切なのは、「このURLにはタグを付けたかな?」と意識すること。
それを習慣にできれば、データが語る“本当の成果”が見えてきます。

URLパラメータを正しく使いこなすことは、レポートを作るためではなく、次の一手を見つけるための武器です。

当社では、今抱えていらっしゃる課題をしっかりと把握し、解決のご提案・対応させていただくデジマ女子というDX人材の支援サービスがございます。

 

もし「自分たちの広告やSNS投稿で、どんなタグ設計が最適か分からない…」と感じたら、デジマ女子が伴走しながらサポートします。

・GA4を活かしたアクセス解析設計
・キャンペーンのタグルール設計と管理テンプレート作成
・Looker Studioでの効果レポート自動化

運用を任せるのではなく、“自分たちで分析できるチーム”を育てる支援をしています。

 

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