広告プランニング・運用支援サービス

更新日:2025.10.16

目次
日々のWebマーケティングでよく見る「URLの後ろに付いている英数字」。
それが「URLパラメータ」です。
例えば、広告をクリックしたときに表示されるURLがこんなふうになっていること、ありませんか?
https://example.com/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=spring_sale
この「?utm_source=〜」以降の部分が、URLパラメータ。
アクセス解析ツールで「どの広告から流入したか」などを正しく把握するために使われます。
意外と知られていませんが、広告運用やレポート精度に大きく影響する重要な仕組みなんです。
このコラムでは、URLパラメータの基本から、広告・解析での活用方法、2025年の最新トレンドまでをやさしく解説します。

執筆:檜田詩菜(過去のインタビューはこちら)
コクーのマーケティング担当。鹿児島県出身。数年前まで美容コスメ・雑誌・不動産・IT業界の顧客マーケティングを担当。好きな豆腐は木綿。
URLパラメータとは、WebページのURLの末尾に付ける「追加情報」です。
この情報を使うことで、アクセスの出所(どこから来たか)や経路(どんな手段か)を判別できるようになります。たとえば、こんなURLを見たことがある方も多いでしょう。
https://example.com/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=spring_sale
ここで、
utm_source=google …「Google」からのアクセス
utm_medium=cpc …「クリック広告(CPC)」経由
utm_campaign=spring_sale …「春のセール」キャンペーン
というように、アクセスの名札を付けているのがURLパラメータです。
仕組みとしてはとてもシンプルで、
https://ドメイン/ページ?パラメータ名=値
という形で書きます。
このようにしておくと、解析ツール(GA4など)がURLの情報を読み取り、
「Googleメール経由でイベント2025キャンペーンから流入したユーザー」として自動的に分類してくれます。

GA4などの解析ツールは、URLパラメータを使って流入元を認識します。
もしパラメータがない場合、アクセスは「direct(直接流入)」として処理されてしまい、本当はSNS経由なのか、広告なのかが分からなくなってしまいます。
その結果、成果のあった施策が正しく評価されず、改善の方向性も見えにくくなるのです。
つまり、URLパラメータは“データの精度を支える基礎”といえます。
URLパラメータの中でも、Googleアナリティクス(GA4)で一般的に使われるのがUTMパラメータです。
UTMとは「Urchin Tracking Module」の略で、Googleが提供する解析用の標準フォーマット。
全部で5種類あり、それぞれの役割を理解しておくことが大切です。

このURLをInstagramの広告に設定した場合、「InstagramのバナーAから、春のセールキャンペーンに来たユーザー」としてGA4に記録されます。
https://example.com/?utm_source=instagram&utm_medium=social&utm_campaign=spring_sale&utm_content=bannerA
レポート上では、以下のようにデータを分けて分析できます。
メディア別(utm_source):どの媒体が多いか
手段別(utm_medium):広告・メール・SNSなどの割合
施策別(utm_campaign):どのキャンペーンが成果を出しているか
コンテンツ別(utm_content):クリエイティブごとの反応差
つまり、UTMパラメータを付けることで、「誰が・どこから・どんな形で」来たのかが明確になります。
実務でありがちな失敗が「パラメータの名前がバラバラ」問題です。
utm_source=Instagram と utm_source=instagram(大文字・小文字違い)
utm_medium=social と utm_medium=sns(ルール統一なし)
こうなると、GA4上で別データとして集計されてしまいます。

ここからは、「実際にどう作るのか?」をステップ形式で解説します。
特別なツールや知識は必要ありません。今日から自分で設定できるようになります!
最初に決めるべきは「何を知りたいのか」。
URLパラメータは闇雲に付けても意味がなく、目的が明確でないとデータが活きません。
目的設定の例:
SNS経由の流入を正しく把握したい
メルマガとLINE配信の効果を比較したい
広告A・Bどちらのクリック率が高いか知りたい
オーガニック投稿と広告投稿の違いを測りたい
目的を決めたら、それに沿って「source(媒体)」「medium(手段)」「campaign(施策)」を考えます。
分析を続けていくと、施策や媒体がどんどん増えていきます。
そのときに一番困るのが、「どのパラメータが何の意味だったか分からない…」という状況。
それを防ぐために、あらかじめ社内ルールを決めておくことが大切です。

同じチームで複数人が設定する場合は、「共通の命名テンプレート」を持っておくとミスを防げます。
手動で1つずつ書くのは大変…というときに便利なのが、Google公式の「キャンペーンURLビルダー」です。
▶ Google公式ツール
https://ga-dev-tools.google/campaign-url-builder/
このページでフォームに入力するだけで、自動的に正しいUTM付きURLが生成されます。

入力が終わると、自動で以下のようなURLが作成されます。
https://example.com/utm_source=instagram&utm_medium=social&utm_campaign=summer_sale&utm_content=banner_a
これを広告・メルマガ・SNS投稿などに貼り付けるだけでOKです。
SNS投稿やメール本文に長いURLを貼ると、見た目が崩れたりクリック率が下がることがあります。
日本語を含めると、%E3%81%82%E3%81%84%E3%81%86%E3%81%88%E3%81%8Aのように変換され読みにくくなります。
一部SNS(特にXやLINE)では、「?」以降がカットされる場合があります。
Google広告などでは「gclid」、Meta広告では「fbclid」などが自動的に付与されます。
URLを毎回作ると、「どれをどこで使ったか」が分からなくなることも。

ここでは、実際にマーケ現場でよく使われる3つのケースを紹介します。
「どんなときに、どう設定すればいいか」がイメージできるようになります。
目的: InstagramやX(旧Twitter)などの投稿からの流入を把握する
設定例:
https://example.com/utm_source=instagram&utm_medium=social&utm_campaign=brand_awareness
目的: 配信チャネルごとのクリック率・CVRを比較する
設定例:
https://example.com/utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=autumn2025_sale
https://example.com/?utm_source=line&utm_medium=chat&utm_campaign=autumn2025_sale
目的: 広告バナーAとB、どちらの成果が良いか比較する
設定例:
https://example.com/utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=winter_sale&utm_content=banner_a
https://example.com/utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=winter_sale&utm_content=banner_b
目的: イベントページの集客経路を分析したい
設定例:
https://example.com/?utm_source=linkedin&utm_medium=social&utm_campaign=seminar2025&utm_content=post_a
https://example.com/?utm_source=email&utm_medium=email&utm_campaign=seminar2025&utm_content=reminder
目的: 同じ広告でも、誘導先LPごとの成果を確認したい
設定例:
https://example.com/lpA/?utm_source=meta&utm_medium=cpc&utm_campaign=trial_lp&utm_content=version_a
https://example.com/lpB/?utm_source=meta&utm_medium=cpc&utm_campaign=trial_lp&utm_content=version_b
ここ数年で、URLパラメータを取り巻く環境にも大きな変化がありました。
など、従来のやり方ではデータが正しく取れなくなるケースも出てきています。
ここでは、2025年時点で押さえておきたい重要ポイントを整理します。
Google広告やMeta広告では、自動タグ付けが標準機能になっています。
設定をONにしておくと、広告クリック時に自動的に識別用のタグが付与され、
手動でUTMを設定しなくても流入経路を計測できる仕組みです。
自動タグ付けと手動UTMを併用すると、GA4上で二重カウントや分類ミスが起きる場合があります。
「広告は自動タグ、それ以外の施策は手動UTM」とルールを分けるのが安全です。
SafariやChromeなどのブラウザでは、2024年以降、トラッキングパラメータを自動的に削除する仕組みが進んでいます。特にiOSのSafariでは、fbclidやgclidなどがURL共有時に除外されるケースが確認されています。
そのため、2025年以降は「URLパラメータだけに頼らない計測」が重要に。
GA4のイベントベース計測を活用(キャンペーン識別をイベント属性で残す)
Google Tag Manager(GTM)でパラメータ情報を一時保存する設定を追加
サーバーサイド計測(Server-side Tagging)を導入する
広告主・代理店を問わず、「計測の多層化」がトレンドになっています。
GA4では、従来の「チャンネル(参照元/メディア)」がより自動分類化されました。
つまり、UTMパラメータの内容を正確に設定していないと、GA4の「デフォルトチャネルグループ」がうまく反映されません。

このように、Google推奨のフォーマットに合わせて命名しておくと、GA4の集計で自動的に正しいグループに分類されます。
LPやキャンペーンURLがリダイレクトを経由する場合、パラメータが途中で失われることがあります。
特にURL短縮サービスやCMS設定に注意が必要です。
URLを短縮する際、パラメータを引き継げているか
CMS(WordPressやHubSpot)でリダイレクト設定が正しくできているか
フォーム送信後のサンクスページでもパラメータを保持できているか
GA4では、計測が途切れる原因の約2割が「リダイレクトによるパラメータ消失」とも言われています。
URLパラメータを付けたあとは、「正しく計測できているか」を必ず確認しましょう。
ここでは、GA4とLooker Studioでの基本確認方法を紹介します。
このレポートでは、「参照元/メディア」「キャンペーン」ごとのデータが見られます。
ここに、UTMで設定したcampaign名・source・mediumが表示されていればOKです。
確認ポイント:
思っていたキャンペーン名で集計されているか
不要な表記揺れ(例:Instagramとinstagram)がないか
“direct / none”が異常に多くないか
Looker Studioを使うと、URLパラメータごとの成果をグラフや表で見やすく可視化できます。
データソースにGA4を接続
ディメンションに「キャンペーン」「参照元」「メディア」を追加
指標に「セッション数」「コンバージョン数」「CVR」を設定
グラフ形式で成果を比較表示
便利なTips:
「utm_campaign」ごとにフィルタを作ると、施策単位で成果を確認できる
複数媒体を並べて比較すれば、どの広告が効いているか一目瞭然
パラメータを付けただけでは意味がありません。
データを見て改善できる状態にすることがゴールです。
たとえば、Instagramからの流入が多くてもCVが少ないなら、
「訴求メッセージが弱い」「遷移先がスマホ向けでない」など、具体的な仮説を立てる材料になります。
URLパラメータは便利ですが、設定や運用を間違えると正しいデータが取れなくなります。
現場でよくあるトラブルと、その解決策をまとめました。
URLパラメータは、見た目には小さな文字列ですが、その裏には「どの施策が成果を出しているのか」を明確にする力があります。
毎日の投稿や広告に少しの工夫を加えるだけで、あなたのマーケティング活動が勘から根拠に変わる。
大切なのは、「このURLにはタグを付けたかな?」と意識すること。
それを習慣にできれば、データが語る“本当の成果”が見えてきます。
URLパラメータを正しく使いこなすことは、レポートを作るためではなく、次の一手を見つけるための武器です。
当社では、今抱えていらっしゃる課題をしっかりと把握し、解決のご提案・対応させていただくデジマ女子というDX人材の支援サービスがございます。
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・GA4を活かしたアクセス解析設計
・キャンペーンのタグルール設計と管理テンプレート作成
・Looker Studioでの効果レポート自動化
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