データドリブンアプローチにおいて、自社に蓄積したデータは宝の山です。現代では、大量のデータを素早く分析し、意思決定に反映させなければ変化の激しい市場で生き残ってはいけません。
そこで今回は、デジタル時代に欠かせない「データドリブンアプローチ」について知っておきたい基礎知識を解説します。
メリットや実践ステップ、注意点からおすすめツールまで網羅して解説しますので、必要な箇所から読み進めていってください。
データドリブンアプローチとは、個人のカンや経験に頼るのではなく、客観的データをもとにビジネスの意思決定を行う手法です。
近年、
などを背景に、多くの組織がこのデータドリブンアプローチの導入を迫られています。
データドリブンアプローチを成功させるには、
が重要です。
データドリブンアプローチを導入する主なメリットとして
の3項目をみていきましょう。
データドリブンアプローチでは定量的な数値データをもとに判断が行われます。
そのため、思い込みや経験則のような主観的決定より、はるかに信頼性・説得力の高い意思決定を下すことが可能です。
データドリブンアプローチにはデータをわかりやすく「見える化」するプロセスが含まれます。
そのため、収集したデータを可視化することで、思わぬ自社課題や新規市場を発見できることも少なくありません。自社の課題や顧客ニーズを理解することで付加価値が生まれ、顧客満足度向上にもつなげやすくなります。
データを根拠に行うデータドリブンアプローチは、個人の主観や先入観を排除した意思決定が可能です。そのため、多くの属人化を解消することができます。
また、データに基づくことで誰が見ても同じ判断が下せるため、経営戦略や施策の再現性を高めることにもつながります。
実際にデータドリブンアプローチを進める場合、
の4つのステップでPDCAサイクルをまわすのが一般的です。
まずは、意思決定に必要なデータを収集します。
購入履歴、行動データ、アンケート結果など
市場調査、競合情報、経済の動向など
販売実績、性能評価、在庫、売上、コスト、配送など
WebサイトのPV、SNSのフォロワー推移、広告など
このとき、データを収集する目的を明確にし、できるだけ信頼性の高いデータを収集することが大切です。
また、膨大なデータを扱うためには、
などの一元管理のためのITツールを活用することが求められます。ツールについては後半で解説しますので、参考になさってください。
必要なデータが揃ったら、視覚的に分析しやすい形式に整理・加工します。
などを作成し、全体像や傾向・パターンの把握に役立てます。
また、データ活用・分析に用いる手法としては
などが代表的です。なお、現在ではデータアナリストなどの専門家でなくとも、
などを導入すれば一般社員でも簡単にデータ解析を行うことができます。可視化したデータをもとに、自社の課題点や改善点を明確にしましょう。
データ分析から導き出したアクションに対し、ひとつづつ
などを検討しながら具体的で実現可能な行動計画に落とし込みましょう。アクションプランが決まったら、実際に行動に移します。
実践後は必ず効果測定を行い、意図した通りの結果が得られているかを確認しましょう。
もし思ったような成果が出ていない場合は、計画や予測とのズレがどこにあるのかを明確にし、改善する必要があります。
次に、データドリブンアプローチにおける注意点を4つ確認しておきましょう。
本来データ分析は、データドリブンアプローチにおいて目的達成のための手段です。
しかし、データ分析に集中しすぎると「分析のための分析」がはじまり、なかなか意思決定まで進めないケースも少なくありません。
データドリブンアプローチでは、きちんとデータ分析の目的を明確にし、必要最低限の範囲を短時間で分析することが大切です。
ITツールの進化により一般社員でもデータ分析ができる時代になっています。
しかし、やはり高度なデータ解釈を行うためにはデータサイエンティストやアナリストなどの知識・スキルがあるに越したことはありません。
安易にツールやAIに頼るとデータの誤解釈や誤用の危険性があるため、社員がデータドリブンアプローチを正しく理解できるよう、人材育成やスキルアップ研修を行うようにしましょう。
ソース不明のデータや不完全なデータをいくら分析しても、データドリブンアプローチの成果にはつながりません。
そのため収集・蓄積するデータの品質は厳格に管理し、品質維持のためのインフラ整備や災害時の復旧方法なども検討しておくことが大切です。
残念ながら「DXも推進されているし、とりあえずITツールを導入しよう」という考え方は、ほとんどが失敗します。
なぜなら目的が曖昧なままでは適切なツールが選定できなかったり、準備不足のまま導入しても現場が使いこなせないからです。
ツール導入にはコストも時間もかかるため、失敗を避けるためには外部のサポート企業にアドバイスを求めてもよいでしょう。
最後に、データドリブンアプローチに必要なツールを解説します。
自社のニーズにあったツールを選定できるよう、それぞれの特徴を理解しておきましょう。
BI(ビジネスインテリジェンス)は、企業に蓄積したビッグデータの可視化・分析を得意とするITツールです。経営管理や売上予測などができるため、データドリブンアプローチにおいて必須のツールといえます。
BIツールについては「BIツールでマーケティング分析を最適化!」の記事で詳しくご紹介しています。
MA(マーケティングオートメーション)は、マーケティング業務を自動化・効率化し、新規顧客獲得や育成をサポートするITツールです。
MAツールの概要やマーケティング業務の最適化については「その悩み、MAツール導入で解決できるかも!MA導入検討中の方必見!」の記事も参考になさってください。
SFA(営業支援システム)は、営業プロセスや商談進捗を管理・分析するためのシステムです。
営業部門の課題発見や成約率向上につなげたい方は「SFAとは?基本機能から失敗しない選び方、おすすめツールまで徹底解説!」の記事もあわせてご覧ください。
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)は、顧客属性や行動データの収集・蓄積し、詳細な分析をするためのITツールです。
DMP(データ マネジメント プラットフォーム)とは、顧客データやWebのアクセスログなどを解析・活用するためのITツールです。
企業に蓄積したデータは、活用することでその真価を発揮します。
市場の変化に柔軟に対応するためにも、今後はデータドリブンな経営体質構築を目指してみてはいかがでしょうか。コクー株式会社では、データドリブンアプローチ導入のためのサポートを行っています。
貴社に最適なツール選定やシステム構築、社員向け研修など幅広く支援しておりますので、データドリブンアプローチに迷ったらぜひ一度ご連絡ください。