昨今成長が著しいデジタルマーケティング業界ですが、同時に、担い手となる人材不足も叫ばれています。
比較的新しい業界であることから経験者を求めることは難しく、未経験者の育成も考える必要があります。
本記事では、デジタルマーケティング人材の未経験者育成について、お伝えします。
顧客とデジタルの接点が急速に増加していることから、ビジネスにおける「デジタルマーケティング」の重要性は日に日に増しています。
何かと「DX」という話題が挙がり、「デジタルマーケティング」を始めようとする動きも多いのではないでしょうか。
しかし、社内に専門知識を持った人材がいない、支援企業もリソースが足りずに取引ができないなど、「デジタルマーケティング」が進まない要因は多くあります。「デジタルマーケティング人材」を採用しようとしても、自社の求めるスキルを持ち、さらに社風に合った人材を見つけるのはなかなか難しいことです。
業界を問わず大手各社もこぞって採用に乗り出しているため、採用費も高騰しています。
このように、DX推進やデジタルマーケティング施策の強化が進まない企業も多いのではないでしょうか。
参照 | 総務省2021年3月報告書『デジタル・トランスフォーメーションによる 経済へのインパクトに関する調査研究の請負』
残された道としては、社内での人材育成です。最近では、「リスキリング」(=技術の進化に伴って、新たにスキルや知識を身に着ける取り組み)を行う企業も増加しています。
では実際に、未経験者がデジタルマーケティング分野を学び、活躍することは可能なのでしょうか?
一定程度は向き不向きがあると思いますが、答えは「YES」だと考えています。
デジタルマーケティングに関しては、こちらの記事もご覧ください。
ここからは、未経験からデジタルマーケティングスキルを向上させる一例をご紹介します。
どんなスキルもまずは基礎知識を習得し、自分の業務に落とし込んで理解を深め、試行錯誤を繰り返していく必要があります。
初めは基礎知識のインプットに一定の時間数は必要だと感じます。
業務で習得していくことはもちろんですが、業務時間外でもキャッチアップしていくことは重要です。
マーケティングに関する本を読んだり、トレンドを調べてみたり、基礎知識があるのとないのとでは、大きな差が生まれてきます。
マーケティングの業務と一口に言っても幅広いです。
それぞれの業務との繋がりに対する理解と、自分のアクションがどんな効果を生み出すのかに対する理解があると、キャッチアップの質もスピードも高まると感じます。
MA業務を担当することになった場合で考えてみましょう。例えば、広告やセミナーで獲得したリードをナーチャリングしていく部分を担っていると理解したり、メール配信で、リマインドによるリードの認知向上を目指すための施策と理解したりが挙げられます。
どの施策においても、マクロからミクロまでさまざまなPDCAサイクルをまわしてブラッシュアップしていく必要があります。
日頃からPDCAサイクルを意識するクセがついていなかったり、正解が分かっていないために動けなくなってしまったり、思い当たるのなら鍛える必要があるでしょう。
未経験から活躍している人材は、例えば、以下のような特徴・傾向が多いように思います。
(もちろん、これらの経験がないと不可ということではありません。)
ここでは、デジタルマーケティングに向いている人材の特徴を紹介します。
利用者・閲覧者にいかに興味を持ってもらい、コンバージョンにつなげるかなど、常に結果と向き合う必要があります。
そのため、営業や販売・接客など、顧客と向き合い、製品やサービスを売ったり利用をサポートしたりする立場を経験している人は、その経験を活かせます。
業務推進におけるオーナーシップ意識や、マルチタスクをこなす器用さ、ハードな業務をこなす胆力などが必要とされます。そのため、小売業界などで、店長や副店長などを経験し、取りまとめる立場を経験している人は向いていると思います。
ディレクションや、経営層を含む多くの部署との連携・推進などのコミュニケーションが必要とされます。
例えば、秘書や部署間連携を行う職種などを経験しているとデジタルマーケティングの業務につなげることができると思います。
また、デジタルマーケティングに限りませんが、未経験からのスキル習得は、以下4つの要素が必要だと思います。これらの掛け合わせによって、成長を加速していくことが可能です。
デジタルマーケティング以外の、過去の経験で培ったコンピテンシー要素なども含まれます。(事務経験・接客経験・対人経験・スポーツでのチームワーク経験など)
得意不得意や、もともとの地頭、勘、要領が良いなど、生来の特質などがセンスにあたります。
幅が広い表現ですが、それにチャレンジする強い動機(危機感を含む)・やり抜く力・達成する決意・分からないことを吸収する素直さや貪欲さ、などがこの要素に含まれます。
よく引き合いに出される話ですが、人は何か新しい物事を不自由なくこなせるまでに、10,000時間かかると言われています。
なので、どれだけ時間をかけたかというのは当然大事な要素です。
なので、デジタルマーケティングに向いている人材となると、何かしら追い風となる経験やセンスを持つことは、ある程度は重要な要素となります。ただし、これらが乏しいからといっても、強い動機を持ってひたすらに時間を注ぐことでも、カバーは可能になると思います。
育成したデジタルマーケターが自社で活躍していくには環境が大切です。
デジタルマーケティングの重要性が高まったのはここ数年の話であり、まだまだ市場にはデジタルマーケティング人材が不足しているのは冒頭の通りです。
ということは、デジタルマーケターとして高いスキルを身に着けた暁には市場価値が高まるため、その瞬間に引く手あまたの存在ともなり得ます。
また、会社に依存せずに独立を志す場合もあるでしょう。
そのため、会社としては人材定着のために、給与や労働環境、人間関係、やりがいなどが、他社より魅力的であるよう努めなければなりません。
デジタルマーケティングは、新しい領域かつ、次々に前提が変化する世界のため、比較的、若年層の習得が早い傾向にあります。また、全体を俯瞰して指揮を執る部長クラスのキャッチアップが追いつかず、現場で実務を担当する社員の方が知識・経験が豊富な状態となり、理解が少なく適切な評価ができない上司に対し、不満が募ってしまうこともあります。
マーケティングの業務は、一つの部署だけでは完結しないケースが多々あります。
マーケティング活動は、認知施策などすぐに結果が出ない施策を行うことがあったり、既に確立した顧客獲得施策でも自社においては実績がない初の試みを行うことがあったりします。これらは時に、企業のブランドに影響を与えることや、多額のコストがかかること、経営への大きなインパクトを生み出すことなどがあり、経営層の理解・納得が必要不可欠な場合があります。
経営層が取り付く島もない姿勢を見せるのではなく、マーケティング活動に理解がある環境は、マーケターにとって重要と言えます。
逆に、経営層・上層部がマーケティングの必要性・業務に対して理解し、広報PR部門や営業部門など関係各所とうまく連携することで、大きな相乗効果が生み出されます。これにより、企業にもメリットがもたらされ、マーケターも大きなやり甲斐が感じられるというお互いにとってより良い環境になれば、強固な組織となるといえます。
活躍するデジタルマーケティング人材を未経験から育成するには、ある程度の素養と意欲を持つ人材を見極める必要があります。多くのインプットとPDCAサイクルを回す経験を積んで成長してもらうプロセスが必要不可欠かと思います。
また、引く手あまたのデジタルマーケティング市場では、育成した人材は環境を整え、しっかりとグリップする必要もあります。
そうはいっても、デジタルマーケティング人材の活用は急務でありつつも、今すぐの育成や環境整備はなかなか難しい、というケースも多いはずです。
当社には、デジタルマーケティング人材として優秀な「デジマ女子」が多く在籍しております。ご状況やご予算に応じて、広告・WEB・MAなど、カテゴリに特化したカスタマイズによるご提案も可能です。お気軽にお問い合わせください。