2026年4月、これまで別々に提供されていた「LINE広告」と「Yahoo!広告 ディスプレイ広告」が統合され、新たに「LINEヤフー広告 ディスプレイ広告」の提供が開始されました。LINEヤフーは、LINEとYahoo! JAPANのメディア・データを横断的に活用し、より高精度な広告配信を目指すと発表しています。
これにより、広告運用の現場では「管理画面はどう変わるのか」「今までのLINE広告アカウントはそのまま使えるのか」「計測タグやコンバージョン設定は移行されるのか」といった確認事項が増えています。
特に注意したいのは、Yahoo!広告 ディスプレイ広告を利用している場合と、LINE広告を利用している場合で対応が異なる点です。Yahoo!広告 ディスプレイ広告の利用者は自動的に新プラットフォームへ移行されますが、LINE広告を利用している場合は、移行ツールまたは手動での移行対応が必要です。
本記事では、2026年5月時点の情報をもとに、LINE広告統合で何が変わるのか、マーケティング担当者が確認すべきポイントをわかりやすく解説します。
執筆:檜田詩菜(ひわだしいな)/マーケティング部
BtoB領域を中心に、SEO記事・ホワイトペーパー・メールマーケティングなどのコンテンツ企画制作に従事。見込み顧客との接点づくりからナーチャリング設計まで、コンテンツを軸としたマーケ支援を行っている。
LINE広告統合とは、「LINE広告」と「Yahoo!広告 ディスプレイ広告」が統合され、「LINEヤフー広告 ディスプレイ広告」として提供されるようになった動きのことです。
LINEヤフーは、2023年の経営統合以降、「Connect One」構想のもとで基盤統合を進めてきました。
今回の広告プラットフォーム統合もその一環であり、LINEとYahoo! JAPANのデータや広告配信技術を横断的に活用することで、ターゲティング精度の向上と国内最大級のリーチを両立する狙いがあります。
従来は、LINE広告とYahoo!広告 ディスプレイ広告を別々に運用していた企業も少なくありませんでした。
媒体ごとに管理画面、配信設定、レポート、タグ、オーディエンス管理などが分かれていたため、運用工数が増えやすい状態でした。
2026年5月時点で公表されているスケジュールは以下のとおりです。
LINE広告とYahoo!広告 ディスプレイ広告の統合により、広告配信の仕組みや管理画面、データ活用の考え方が変わります。これまで別々に運用していた広告メニューが「LINEヤフー広告 ディスプレイ広告」として統合されることで、LINEとYahoo! JAPANのユーザー接点を横断した配信がしやすくなる一方、LINE広告を利用している企業では移行作業や計測設定の見直しが必要です。
ここでは、マーケティング担当者が押さえておきたい主な変更点を整理します。
まず大きな変更点は、広告サービスの名称です。
「LINE広告」と「Yahoo!広告 ディスプレイ広告」は統合され、「LINEヤフー広告 ディスプレイ広告」として提供されます。また、「Yahoo!広告 検索広告」は「LINEヤフー広告 検索広告」に名称変更されています。
ただし、今回の統合の中心はディスプレイ広告です。検索広告については名称変更と連携強化の方向性が示されていますが、LINE広告からの移行対象として特に注意が必要なのはディスプレイ広告側です。
今回の統合で注目すべきポイントは、単なる管理画面の変更ではありません。LINEとYahoo! JAPANのデータや広告配信技術を横断的に活用できるようになる点です。
LINEヤフーは、LINEとYahoo! JAPAN双方のデータと最適化モデルを統合することで、ユーザーの興味関心や行動意図の解像度を高め、より高精度な広告配信を実現すると説明しています。
マーケティング担当者にとっては、配信面が広がるだけでなく、ターゲティングや自動最適化の考え方も変わる可能性があります。
たとえば、これまではLINE広告ではLINE内の接点、Yahoo!広告ではYahoo! JAPAN内の接点を中心に設計していた企業も、今後は「LINEヤフー全体のユーザー接点」を前提に、配信設計を見直す必要があります。
LINEヤフーの発表によると、LINEは国内月間利用者数1億ユーザーを突破しており、Yahoo! JAPANは月間ログインユーザーID数5,400万人とされています。統合後は、これらの利用者に対して一元的な広告配信が可能になるとされています。
これまでLINE広告とYahoo!広告を別々に運用していた場合、重複配信や予算配分、レポート比較に手間がかかることがありました。
今後は、配信面・データ・予算管理の統合が進むことで、広告運用の全体最適を図りやすくなると考えられます。
ここが最重要です。
Yahoo!広告 ディスプレイ広告を利用している場合は、自動的に「LINEヤフー広告 ディスプレイ広告」へ移行され、設定やデータはそのまま引き継がれます。一方、LINE広告を利用している場合は、自動移行ではなく、移行ツールまたは手動での移行対応が必要です。
LINE広告の公式移行ガイドでも、LINE広告の画面や仕様をそのまま引き継ぐものではないため、アカウントデータや配信設定は自動では移行されないと案内されています。
つまり、LINE広告を利用している企業は、放置すると2026年10月下旬頃の配信停止時期に広告配信が止まるリスクがあります。
LINE広告統合では、広告プラットフォームが新しくなるだけでなく、アカウント移行、計測タグ、コンバージョン設定、レポート保存など、実務上の確認事項も発生します。特にLINE広告を利用している企業は、自動で移行されない項目もあるため、早めに対応範囲を把握しておくことが重要です。
ここでは、移行時に見落としやすいポイントと、マーケティング担当者が事前に確認しておきたい項目を整理します。
まず確認すべきなのは、自社がどの広告を利用しているかです。
Yahoo!広告 ディスプレイ広告のみを利用している場合は、原則として追加対応は不要とされています。
一方、LINE広告を利用している広告主や、LINE広告を運用している代理店は、原則として移行対応が必要です。
確認すべき項目は以下です。
LINE広告からLINEヤフー広告 ディスプレイ広告へ移行する方法は、大きく「移行ツールを利用する方法」と「手動で移行する方法」の2つです。
移行ツールを利用する場合、認証済みのビジネスマネージャー連携が必須とされています。具体的には、移行元のLINE広告と接続されたLINE公式アカウントを、同一の認証済みビジネスマネージャーに接続する必要があります。
事前準備が完了していない場合、移行ツールを利用できず、手動移行が必要になる可能性があります。
特に、複数ブランド・複数店舗・複数アカウントを運用している企業では、ビジネスマネージャーや権限管理がぐちゃっと絡まった毛糸玉になりがちです。移行直前に慌てないよう、早めにアカウント構成を棚卸ししておきましょう。
移行ツールを使えば、LINE広告のデータを可能な限りLINEヤフー広告 ディスプレイ広告へコピーできます。
ただし、すべてが移行されるわけではありません。
公式ガイドによると、広告アカウント、権限情報、キャンペーン・広告グループ・広告の設定、広告素材、オーディエンスデータなどは移行対象に含まれます。一方で、リターゲティングタグ・計測タグ、コンバージョン設定、過去の配信実績・レポート、自動入札などの学習データ、外部広告API連携などは移行されません。
特に注意したいのは以下です。
移行ツールを利用した場合でも、移行後にLINEヤフー広告の管理画面で設定確認・調整が必要です。
公式FAQでは、移行ツールを利用して移行したキャンペーンは配信オフになり、広告グループや広告は移行元と同じオン・オフ設定になると案内されています。
つまり、移行しただけでは配信が再開されないケースがあります。
確認すべきポイントは以下です。
移行直後は、クリック数・表示回数・CV数・CPAなどの数値が一時的に変動する可能性もあります。
移行前後で比較できるよう、事前に基準値を記録しておくと安心です。
LINE広告の過去の配信実績やレポートは、移行ツールでは移行されません。
また、2027年3月末頃にLINE広告の提供終了が予定されており、終了後はレポート確認もできなくなるとされています。そのため、以下のようなデータは早めに保存しておくことをおすすめします。
LINE広告とYahoo!広告 ディスプレイ広告の統合により、広告運用の現場では移行対応や設定確認が必要になります。一方で、LINEとYahoo! JAPANのユーザー接点を横断して活用できるようになることで、配信面の拡大やターゲティング精度の向上、運用管理の効率化といったメリットも期待できます。
ここでは、LINE広告統合によってマーケティング担当者が得られる主なメリットを整理します。
LINEとYahoo! JAPANの利用者に一元的に広告配信できるようになることで、リーチ拡大が期待できます。
LINEヤフーは、LINEの国内月間利用者数1億ユーザー超、Yahoo! JAPANの月間ログインユーザーID数5,400万人という規模を示しています。
LINEとYahoo! JAPAN双方のデータと最適化モデルを統合することで、より高精度なターゲティングや広告配信の最適化が期待されています。
特に、Web上の行動データだけでは捉えきれない生活者の接点を、LINE・Yahoo! JAPAN横断で見られるようになる点は大きな変化です。
これまでLINE広告とYahoo!広告を別々に管理していた場合、入稿、予算管理、レポート作成、分析の手間がかかっていました。
統合により、広告運用の管理が一元化されることで、運用工数の削減が期待できます。
また、LINEヤフーは今後の注力領域として、UI/UX改善、AI活用、検索広告との連携強化、LINE公式アカウントとの連携強化を挙げています。
LINE広告統合は、広告運用にとって大きな前進です。
しかし、統合されたからといって、すべてが自動で整うわけではありません。
特にLINE広告を利用している企業は、以下の点に注意が必要です。
統合によって広告配信の可能性は広がりますが、移行対応を後回しにすると、配信停止・計測漏れ・レポート消失といったリスクにつながります。
以下のチェックリストを使って、自社の対応状況を確認しましょう。
| チェック項目 | 確認状況 |
|---|---|
| LINE広告を利用しているか確認した | □ |
| Yahoo!広告 ディスプレイ広告のみか、LINE広告も利用しているか整理した | □ |
| 代理店運用の場合、移行方針を確認した | □ |
| ビジネスマネージャー連携の状態を確認した | □ |
| 移行ツールを使える条件を満たしているか確認した | □ |
| 計測タグの再設定が必要か確認した | □ |
| コンバージョン設定の再設定方針を決めた | □ |
| 過去レポートの保存範囲を決めた | □ |
| 移行後の配信確認フローを決めた | □ |
| 2026年10月下旬頃までの移行スケジュールを決めた | □ |
LINE広告統合は、単なる媒体名の変更ではありません。広告配信・ターゲティング・データ活用・効果測定の前提が変わるタイミングです。
特に、以下のような企業は、移行を機に計測設計そのものを見直すとよいでしょう。
広告媒体が統合されても、自社側の計測・分析体制が整っていなければ、成果改善にはつながりにくくなります。
2026年4月に「LINE広告」と「Yahoo!広告 ディスプレイ広告」が統合され、「LINEヤフー広告 ディスプレイ広告」の提供が開始されました。LINEとYahoo! JAPANのデータを横断活用できるようになることで、今後はより広いリーチと高精度な広告配信が期待されています。
一方で、LINE広告を利用している企業は、アカウント移行・計測タグの再設定・コンバージョン設定・過去レポート保存など、実務上の対応が必要です。LINE広告の配信は2026年10月下旬頃に停止予定、2027年3月末頃に提供終了予定とされているため、早めの移行準備が欠かせません。
広告運用の成果を高めるためには、媒体の変更に対応するだけでなく、計測・分析・レポート体制もあわせて見直すことが大切です。
広告アカウント、計測タグ、GA4、Looker Studio、CRMなどが分断されたままだと、せっかく広告プラットフォームが進化しても、成果の判断が難しくなってしまいます。
LINE広告統合をきっかけに、自社の広告運用とデータ活用の“配線図”を見直してみてはいかがでしょうか。
LINE広告とYahoo!広告 ディスプレイ広告の統合により、計測タグの再設定、コンバージョン設定、レポート確認など、マーケティング担当者が対応すべき業務は増えています。
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