リターゲティング広告は、アクセス履歴のあるユーザーをターゲットにして広告配信を行います。
そのため他の広告手段に比べて費用対効果や成約率が高く、多くの企業で効果的な活用方法が模索されているのをご存知でしょうか。
ここでは、リターゲティング広告が他の広告手段よりも効果的にアプローチができる仕組みや、メリット・デメリットを解説します。
また、近年注目されているリターゲティング広告のこれからについてもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
リターゲティング広告とは、過去に自社サイトに訪問した見込み客をターゲットにするオンライン広告です。
ユーザーの検索キーワードやアクセス先などを追跡して、別のWEBサイトでも自社広告を配信できます。
リターゲティング広告はGDN(Google)やYDN(Yahoo!)、SNSなどさまざまな広告媒体で発信できることも特徴です。
リターゲティング広告は一般的に対費用効果が高く、コンバージョン率(CVR)も良いといわれています。
なぜなら、1度興味を持ったユーザーに絞って広告の再配信を行うため、確度の高いターゲティングができ、「検討中」の見込み客の成約を後押しすることにつながるからです。
リターゲティング広告について調べると「リマーケティング広告」と解説されていることがあります。
この2つは基本的には同じ仕組みの広告であり、
という呼び名を使用しています。
リターゲティング広告は、ブラウザのCookie(クッキー)という機能を活用して、訪問者を追跡して広告を再表示する仕組みになっています。
Cookieは指定したブラウザに「タグ」を埋め込むことによって取得でき、それを基に顧客ごとの「リスト」を作成してユーザーのトラッキングや広告運用を行っています。
タグとは、WEBページを構成するHTMLのソースのひとつであり、一度訪問したユーザーをマーキングする指示書として機能するものです。
このタグをHTMLに記入することを、「タグの埋め込み」、「タグの設置」と呼びます。
リターゲティング広告に使用するタグは、トラッキングしたいすべてのページに埋め込まなければなりません。
リストとは、Cookieが付与された顧客を条件ごとに分類したもので、広告配信のターゲティングを行う重要なものです。
例えば「購入済みのユーザーリスト」「トップページのみ訪問したユーザーリスト」「カートに入れて3日間経過したユーザーリスト」など細かく設定できます。
このリスト作成にはある程度の情報量が必要なので作成に時間がかかるものの、配信対象を効率的に絞りこむために欠かすことができないステップです。
ここでは、リターゲティング広告のメリットをご紹介します。
リターゲティング広告は、広告配信のシナリオに応じて的確なターゲティングができるメリットがあります。
無駄な広告表示や無関係なユーザーへの広告配信を減らし、あらかじめニーズがある顧客にのみアプローチできるため、高いコンバージョンが見込めます。
リターゲティング広告は他のオンライン広告と比較してコンバージョン率が高く、かつクリック単価が低い傾向にあるため、費用対効果がとても良いという特徴があります。
需要のある顧客層に効率よく広告配信できる仕組みのおかげで、少ない費用で高い成果をだすことができます。
基本的にWEBサイトにアクセスしたユーザーの90%以上は、なにもしないまま離脱するといわれています。
そして離脱後の70〜80%のユーザーは、検討中になにもアプローチがないと購入意欲を失ったり、商品の存在自体を忘れてしまったりするというデータもあります。
その点でリターゲティング広告は、一度離脱した顧客にも継続的にアプローチができるため、コンバージョンを上げるとても効果的な手法だといえます。
リターゲティング広告はその効果から多くの広告媒体で利用することができます。
例えば、Googleなどのバナーやディスプレイ広告、メディアの記事に連動するコンテンツディスカバリー広告、FacebookやTwitterのようなSNS広告などと組み合わせることができます。
さまざまな媒体でリターゲティング広告を活用することによって、流入元を増やしたり、ターゲティングの確度を上げたりすることで、成約率の向上につながります。
リターゲティング広告は費用対効果や成約率の高さから多くのメリットがありますが、その反対にデメリットもあります。
ここではよくあるリターゲティング広告のデメリットを3つご紹介します。
リターゲティング広告は顧客をトラッキングして何度もアプローチをかける手法ですが、扱いを誤ると逆効果になる危険性があります。
広告の表示回数が多すぎると、「しつこい」とマイナスイメージを持たれ、不快感からブランドイメージの低下に繋がってしまいます。
そうならないために、フリークエンシーキャップの活用がおすすめです。
これは同一ユーザーへの広告表示回数を制限する機能で、広告頻度の調整を行うことができます。
リターゲティング広告は、なにかしらのアクションを起こした顕在ユーザーを対象とする広告です。
そのため他のオンライン広告と比較すると新規ユーザーや潜在ユーザーへ広告は配信されにくく、顧客の新規開拓にはつながりません。
もし顧客層を広げたい場合は、リスティング広告やディスプレイ広告、マス広告なども併用して運用することが重要です。
リターゲティング広告では条件ごとのリスト作成が重要です。
しかし細かな数値は広告媒体によって異なるものの、リストの元になるユーザー情報が不十分だと配信ができない可能性があります。
例えばリスト作成にはGoogleでは過去30日のユーザー数が100以上、Yahoo!ではターゲットのリーチが1000以上ないと配信が行われません。
また、広告配信の下限をクリアしていたとしても、数が少なければほとんど表示されない可能性があります。
リターゲティング広告はユーザーの行動履歴をもとに広告表示を行っていますが、この広告配信方法が欧米諸国でプライバシーの侵害として規制されはじめていることをご存知でしょうか。
すでにGoogleでは広告配信に利用される3rd Party Cookieの提供を、2023年に打ち切ることが決定しています。
また日本でも2022年6月の参議院で「改正電気通信事業法」が成立し、利用者への通知なくトラッキングを行うことが原則禁止されました。
近い将来リターゲティング広告は配信ができなくなる可能性があるため、今後はリターゲティング広告のみに頼らないマーケティング方法の確立や、他の広告手段も併用してゆくことが求められるでしょう。
Cookieレスにに関しては、こちらの記事もご覧ください。
参照|参議院『改正電気通信事業法』
今回はリターゲティング広告について、基礎知識からメリット、デメリット、今後の展望について網羅的に解説しました。
規制強化の流れはあるものの、複雑化する広告運用のなかで費用対効果を高めて効率的に成果を上げるためにリターゲティング広告を外すことはできません。
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リターゲティング広告の効果的な運用には、経験や専門知識が不可欠です。
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