更新日:2024.05.21
目次
昨今、Cookieレス(クッキーレス)というワードが注目されています。
「聞いたことはあるがCookieレスについて詳しくはわからない」という方も多いのではないでしょうか?
Cookieは、デジタルマーケティングにおいてユーザーの情報や行動データを取得し、リターゲティングや効果測定に活用するなど重要な役割を担っていました。
しかし、現在はプライバシー保護の観点から国内外でCookie規制の動きが高まっています。
Googleは、GoogleChromeで2023年からサードパーティーCookieを規制することを発表しており、今後はさらに本格的なCookie規制が進んでいくと考えられます。
この記事ではCookieレスがデジタルマーケティングへどのような影響をあたえるのか。Cookieレス時代に対してどのような対策をしていくべきかについて解説します。
Cookie(クッキー)とは、ユーザーがWEBサイトにアクセスした際の情報を保存しておくファイル(仕組み)です。
これらはCookieに保存された情報によるものです。
Cookieによりユーザーはウェブ上でその都度の入力の手間を省くことができ、情報閲覧がしやすくスムーズにサイト内を回遊できます。
またCookieは、顧客がサイト訪問した際、閲覧履歴等の行動を把握できます。
それらの情報を用いて広告配信のターゲティングやトラッキングに活用できることから、企業やサイト側のマーケティングにおいても大きなメリットがあります。
Cookieには
これらはCookieがどこから発行されたのかによって分類されます。では2種類のCookieの違いと役割を見ていきましょう。
ユーザーが訪れているWEBサイトのドメインから直接発行されるCookieです。
サイトへの
などはファーストパーティーCookieが活用されています。ファーストパーティーCookieはアクセスしているサイトでのみ有効となり、ドメインの異なるサイトでは活用できません。
アクセスしているサイト以外のドメイン(第三者)から発行されているCookieです。ドメインの異なる複数のサイトを横断しての活用が可能です。
ユーザーがWEBサイトを訪れた際に、サイト内に広告が配信されている場合、広告にひもづいているドメインからもCookieが発行されます。
この場合、
です。
サードパーティーCookieは主に広告配信のターゲティングに活用され、代表的な活用方法としてはリターゲティング広告があげられます。
リターゲティング広告とは、1回以上サイトに訪れたユーザーに対して再度広告を配信する広告手法です。
サイトに訪れたユーザーに再び商品やサービスを想起させることができるため、
が高くなる傾向にあり、獲得型の施策では非常に多く用いられます。
「サイトAで閲覧していた商品やサービスに関連する広告が、サイトBを見ているときに表示される」という経験はありませんか?
これはサードパーティーCookieを活用してトラッキングを行い、ユーザーの行動履歴に基づいて広告を表示しているためです。
サードパーティーCookieは顧客の行動データを活用できることから、企業のマーケティングにおいてメリットが多くあります。
一方で、行き過ぎたトラッキングやプライバシー保護が問題視されており、ユーザー側にとってはデメリットとなることもあります。
昨今企業やデジタルプラットフォームに対する個人情報保護規制が国内外で加速しています。大きくは、法律による規制とプラットフォーム側による仕様変更の2つがあります。
プライバシー保護の観点からCookieのようなオンライン識別子も個人情報としてみなし、世界的に法律が制定されています。
有名なのは2018年に施行されたEUのGDPR(データ保護規則)ですが、米国や東南アジアでも同様の法律が続々と施行されています。
日本でも2022年4月1日に個人情報保護法が改正されました。
こうした法律によりCookieを取得する際や、データ提供先で個人識別が可能となることが想定される場合にはユーザーの同意が必要になるなど、Cookieの取り扱いに対して厳しい規制が進んでいます。
参照|個人情報保護委員会『GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)』
参照|個人情報保護委員会『個人情報保護法等』
AppleやGoogleなどのプラットフォーム各社でもブラウザやデバイスの仕様変更により制限が進んでいます。
すでにITP(個人情報保護のためのサイトトラッキング抑止機能)を実装していますが、iOS14.5からは、IDFA(iOS端末の広告識別子)によるトラッキングが制限されています。
操作時に「他社のAppやWEBサイトを横断してあなたのアクティビティの追跡することを許可しますか?」といったポップアップが表示されるのはこれによるものです。
2023年をめどに「Google Chrome」でのサードパーティーCookieのサポートを打ち切る予定です。
Cookieレスはまさに近い将来に迫ってきている課題であり、企業のマーケティング活動においても本格的に対策を考える必要が出てきています。
具体的にCookieレスはデジタルマーケティングへどのような影響があるのでしょうか。
まず前提として個人のWEB行動履歴に基づくデータの収集や配信ができなくなると、新規顧客のナーチャリングが非常に難しくなります。
影響がある、もしくはできなくなることは大きく5つあげられます。
サードパーティーCookieが利用できなくなるため、リターゲティング広告が機能しなくなります。
リターゲティング広告に関して、コチラの記事もご覧ください。
についても、サードパーティーCookieを利用しているため影響があります。
Cookieが利用できない場合、広告主はユーザーの興味や行動に基づいて広告を配信することが難しくなります。これにより、広告主はより効果的なターゲティング方法を模索する必要があります。
例えば、コンテキストに基づいた広告配信や、コンテンツ自体によってターゲットを絞る方法などが挙げられます。
Cookieの保有期間が短くなり正しい効果計測が困難になります。(Safariでは24時間で削除)
またiOSユーザーはIDFAが許諾制のため、管理画面上でコンバージョンが実際よりも低く計測され、正確な数値の可視化が困難になります。
アトリビューション分析とは、直接コンバージョンだけではなく、コンバージョンに至るまでに経由した流入経路を分析し、広告媒体のコンバージョンへの貢献度を評価する仕組みです。
Cookie保有期間の制限により正確なデータ収集が困難になります。
Googleアナリティクスでは、ファーストパーティーによりデータを取得していますが、iOSブラウザでは Cookieの保存期間が短くなるためデータ欠損が発生する可能性があります。
すでにITPにより広告の配信やコンバージョン計測に影響がでていることはもちろんですが、サイト分析における影響もあるため、デジタルマーケティング全般に対して対策をして行く必要があります。
Cookieレス時代に備え、具体的にどのような対策をとればいいのでしょうか?
現在、Cookieに完璧に代わる技術として確立されたものは残念ながらありません。しかしCookieが完全に廃止される前に、早い段階から代替え策を取り入れることが重要です。
対策として有効なポイントをご紹介します。
コンテキストターゲティングとは、従来型のCookieをベースにしたターゲティング手法と異なり、文脈・言語・画像などを解析し、ユーザーの関心に合わせて、適切な配信面・記事に広告を配信するターゲティング手法です。
以前からある手法ではあるものの、AI分析により精度が非常に上がっていることから、ポストCookie時代のターゲティング手法として特に注目されていおり、コンテキストターゲティングに注力する媒体も増加しています。
※コンテキストターゲティングを用いた広告は「コンテキスト広告」もしくは「コンテクスチュアル広告」と呼ばれます。
ユーザーが記事を読んでいるタイミングで親和性の高い広告が表示されるため、ユーザーの関心の高まりをとらえた配信が可能です。
メリットとしては以下の3点が挙げられます。
コンテキストターゲティングはサードパーティーCookie代替えの位置づけだけではなく、ユーザー体験を最大化するための手段としても期待が寄せられています。
ターゲティングの精度の高さは媒体によって差がありますが、積極的に取り入れたいターゲティング手法といえるでしょう。
サードパーティーCookieの依存度を下げるためにも、改めてファーストパーティーCookieの活用が注目されています。
などがあります。
Cookieレスにより広告だけでは従来のようなパフォーマンスを出すことが難しくなってくると考えられます。そのため広告に依存せずオウンドメディアによる集客の仕組みを構築していく必要があります。
まずはオウンドメディアのコンテンツ拡充をしていきましょう。
ユーザーにとって価値のあるコンテンツを発信し、ファンの増加・育成を行うことで中長期的な視点で商品やサービスの購入につなげます。
オウンドメディアに関しては、コチラの記事もご覧ください。
Cookieレス時代に突入することで、従来の個人情報中心のマーケティングでは同様のパフォーマンスを出すことが難しくなります。
そこで企業に求められることはCookieやプラットフォームに依存せず、ユーザーから選ばれ続けるための仕組みづくりです。
これまで広告のパフォーマンスに依存した獲得型の施策を中心としていた企業は、特にマーケティング活動の転換が必要といえるでしょう。
など、より本質的なマーケティング活動をおこなうことが改めて重要になります。
このように非常に変化の速いデジタルマーケティング領域においては、常に最先端の情報をキャッチアップしその時々で最適な方法を実行してくことが求められます。
そのためには豊富な知識と経験のある人材が必要不可欠です。しかし現実は、社内に詳しい人材がいない、日々の業務に追われなかなかそこまで手が回らないなどのお悩みも多いのではないでしょうか?
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