少人数のデジタルマーケティングチームは、自社で実現したい成果に対して、小回りを利かせながら日々施策を実行しています。
しかし、CVが思うように獲得できないといった状況に直面することも多く
といったリソース不足に慢性的に悩み、解決策を常に模索しています。
当記事では、弊社が施策まわりにかける時間を確保するための一手として「業務効率化」に着目し、「ペルソナ」と「カスタマージャーニー」の作成プロセスを見直し、簡略化した方法についてご紹介します。
マーケターにとって、顧客心理を理解・可視化するために、ペルソナやカスタマージャーニーを作成する作業は欠かせない工程です。
しかし、改めてその作り方について問われると、曖昧なイメージだけで設計していたり、我流になっている方も多いのではないでしょうか?
ここでは、ペルソナとカスタマージャーニーについて改めて整理しておきましょう。
ペルソナとカスタマージャーニーは、顧客の購買心理や行動を深く理解するためのフレームワークです。
この2つを作成することで顧客イメージを可視化し、効率よく施策を進めたり社内での認識のズレをなくすことができます。
「ペルソナ」とは、自社サービスを利用する仮想の人物像のことです。
「カスタマージャーニー」とは、カスタマージャーニーマップとも言われますが、ペルソナが自社サービスを認知してから成約に至るまでのプロセスやアタッチポイントをフェーズごとに具体的に可視化したものです。
マーケターはこの設計したペルソナとカスタマージャーニーに沿って、顧客へのアプローチタイミングや内容を決定します。顧客心理にマッチした発信ができれば企業の成約率向上だけでなく顧客の満足度向上にも役立つため、ペルソナとカスタマージャーニーはマーケターにとって必要不可欠です。
ペルソナ作成とカスタマージャーニー設計において、前提知識として押さえてほしいのが、BtoBとBtoCで選ぶべき属性情報は異なるということです。
BtoBの場合、企業の課題を解決することが目的なので、
などを想定して設計する必要があります。
一方で、BtoCの場合、個人の課題を解決することが目的なので、
などを深堀りする必要があります。
この2つを混同してしまうと不十分なペルソナやカスタマージャーニーになってしまい、誤ったコミュニケーションをとってしまう可能性があるため、違いを把握したうえで設計を進めましょう。
ペルソナとカスタマージャーニーの作り方についてはこちらの記事もご覧ください。
デジタルマーケティングの領域は、
など多岐にわたります。
一方でマーケティングの専門性とIT知識を兼ね備えた人材に必要なスキルは複雑なため自社での育成が難しく、雇用するにも膨大なコストがかかります。
そのためデジタルマーケティング人材の供給が、市場のデジタル化に追いついていません。
このような状況からデジタルマーケターはどうしても少数精鋭チームになりがちで、ペルソナやカスタマージャーニーなどの設計に満足ゆくまで取り組めていないのが実情です。
デジタルマーケティングについてはこちらの記事もご覧ください。
慢性的な人手不足に悩む少人数のデジタルマーケティングチームは、日々の業務で手一杯なケースがほとんどです。そればかりか、時には管理職や社内の理解不足によって予算獲得が難しいなど、業務以外にも課題が山積みになりやすい傾向があります。
通常、このような問題を解決するには、
の実施が一般的です。その中でもすぐに取り組めるのが「業務効率化」です。
弊社では、人数が少ないため、ペルソナとカスタマージャーニーに多くの工数を費やすことが負担でした。そしてその結果浮彫りになった課題が、工数の圧迫とマーケティング施策に十分な時間をかけられてないということでした。
ペルソナとカスタマージャーニーにかける業務工数を削減し、日々の施策を止めることなくより成果がでるようにということで、今回「ペルソナとカスタマージャーニーの簡略化」を実施することになったわけです。
通常、ペルソナとカスタマージャーニーの作成は、アンケートなどの各種リサーチ、インタビュー、顧客の行動の洗い出し、チーム全体での意見交換など、作成までにはいくつかのプロセスがあり、時間も労力もかかります。
しかし、ここで理解しておきたいのは、ペルソナとカスタマージャーニーはどれだけ時間をかけたとしても100%の正解はないということです。
だからこそ、時間のない少人数チームは、さまざまな情報を入手してできるだけ多くの情報を書き留めるという考えではなく、重要度が高い項目をいくつか絞って、誰もが分かりやすく見直しもしやすいペルソナとカスタマージャーニーを目指し、作成を進めていくことが重要です。
より効率的にペルソナとカスタマージャーニーを簡略化するために、3つのポイントを意識しましょう。
ペルソナとカスタマージャーニーは、一度作成して終わりというわけではなく、自社のサービスに合わせて定期的に見直しを行うことが必要です。
少ない作業時間で活用し続けるには、どのくらいの項目や記入内容が適切か、自社のリソースと相談しつつ設計しましょう。
年齢や居住地、性格など、あまりにも細かい項目を設定しすぎると、それを埋めるだけで多大な時間がかかります。 BtoBマーケティングにおいて、より重要度が高い項目は何かをチームで検討し、本当に必要な項目だけを残すようにしましょう。
同じシートでペルソナとカスタマージャーニーを管理すれば、一連の流れとして作成や見直しができるだけでなく、一つのシートで見ることで、全体感の矛盾にも気づきやすくよりストーリー性のある顧客体験を企画できるというメリットがあります。
簡略化の目的は、確保できた時間を活用して、新しい施策ややりたかったけど今まで手を付けられなかった施策とその計画をできるようにすることだということを忘れないようにしましょう。
ペルソナとカスタマージャーニーを作成する手順を4つのステップで確認しましょう。
まずは、今ある顧客の情報を集めましょう。
営業部門や顧客と直接かかわる部門とのMTGやWEBからの問い合わせ内容をもとに、今できる範囲で情報を収集し、まとめましょう。
ここで重要なのが、一度にすべてを集めようとせず、時間や工数を区切って作業することです。収集に時間がかかるものは後回しにすることもポイントです。
※定量調査・定性調査の結果があればなおよいですが、最初はなくても大丈夫です
次にペルソナとカスタマージャーニー作成に設定する項目を検討します。
今回弊社では、
の施策を回していくことが前提でした。 そのためには、顧客の業務の目的や課題を明確にすべきと考え、より重要度の高い項目を以下のように設定しました。
項目が決まったら、1.で深めた顧客の情報を記入していきましょう。
例:「広告代理店」が「人手不足で効果的に広告運用ができていない人」をペルソナに設定した場合
記入が終わったら、チームや関係者で共有し、理想像や先入観などの思い込みだけで作ったものになっていないか、顧客視点の情報になっているかなどを確認しましょう。
これで作成は完了です。
「ペルソナとカスタマージャーニーの簡略化」は、早いサイクルで施策を回すための手段です。
できた時間で効果的に施策を回し、施策の結果取得できたデータをもとに、簡略化したペルソナとカスタマージャーニーを定期的に見直し、修正や肉付けをして、顧客に届ける情報を最適化していきましょう。
今回は、少人数のマーケテイングチームが、限られた時間で施策をうまくまわすための一つの方法として「ペルソナとカスタマージャーニーの簡略化」をご紹介しました。
重要なのは、自社で工数がかかりすぎている業務を特定し、自社の規模や限られた時間に合ったやり方を検討し、効率化していくことです。
効率化していくにもどこから始めたらいいか分からない、誰かに相談したい、とお考えでしたら、まずは小さなことでもお気軽に「デジマ女子」にご相談ください。
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