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採用マーケティングで選ばれる企業へ!メリットや実践ステップを具体的に解説

作成者: admin_dg|Sep 3, 2024 10:00:00 PM

採用マーケティングとは、企業が理想の人材を獲得するために、今後主流となるであろう採用手法です。

そこで本記事では、企業が求職者から「選ばれる存在」になるために欠かせない、採用マーケティングの概要から戦略までをまとめて解説します。

採用マーケティングとは

採用マーケティングとは、企業の採用活動にマーケティングの概念を取り入れた新しい採用手法のことです。

企業側が求職者と細かやかな接点を持つことでエンゲージメントを高め、

  • ミスマッチの予防
  • 内定辞退・早期離職の防止
  • 入社後のモチベーション維持
  • 競合他社との差別化

など、従来の採用活動での課題を解決できる点に注目が集まっています。

また、採用マーケティングでは「ファネル」を応用し、採用活動のプロセスを整理するのが一般的です。

「ファネル」とは?

ファネルとは、マーケティングにおける消費者の購買行動を「AIDMAの法則」に沿って図式化したものです。

採用マーケティングでは、求職者の行動プロセスが

  1. 認知:潜在層が企業を知る
  2. 興味:求人情報に興味を持つ
  3. 応募:応募する
  4. 選考:面接から内定まで
  5. 入社:入社後のフォローアップ

の5つのフェーズに分けられています。

ファネルについては「マーケティングファネルとは?」の記事で詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。

従来の採用活動と採用マーケティングの違い

従来の採用活動では、「応募者の中から優秀な人材を選抜する」というアプローチが一般的でした。

それに対して採用マーケティングでは、「どうすれば理想の人材が自社を選んでくれるのか」という視点から採用戦略を組み立てます。

まだ応募していない潜在的な求職者層にも目を向け、

  • 求職者のニーズの深堀り
  • 自社の魅力発信
  • 職場環境をニーズに合わせて整える
  • 入社後の満足度を高める

など、認知から採用後まで長期的で幅広い採用ブランディングを行うことが従来の採用活動との大きな違いです。

採用ブランディングとは

採用ブランディングとは、「Aといえば◯社」といったように求職者の自社イメージをブランディングするプロモーション施策のことです。

自社の魅力や文化・ビジョンなどをストーリー立てて戦略的に発信することで、採用マーケティングに必須である「認知拡大」や「入社意欲向上」などを目的とします。

採用マーケティングが注目される背景

なぜ採用マーケティングが注目されているのか、まずは社会的な採用市場の変化をみていきましょう。

人手不足による採用競争の激化

近年の労働人口減少により、採用市場は求職者が企業を選ぶ「売り手市場」に変化しました。

そのなかで求職者に「選ばれる企業」になるため、求職者のニーズを理解したり、競合との差別化を図るなどマーケティング的視点を取り入れる企業が増加しています。

採用チャネル・手法の変化

従来は求職サイトや転職エージェントを通じた採用活動が中心でしたが、近年では

  • ダイレクトソーシング
  • リファラル(紹介)採用
  • キャリア採用
  • オウンドメディアリクルーティング
  • アルムナイネットワーク(再雇用)
  • SNS採用(ソーシャルリクルーティング)

など、求める人材に応じてチャネルやタッチポイントを使い分ける企業が増えてきました。

求職者ニーズの多様化

ひと昔前に比べて、求職者が企業に求める働き方や価値観は多様化しています。

そのため企業は、

  • リモートワークの有無
  • ライフワークバランス
  • 企業とのカルチャーマッチ
  • 仕事のやりがい
などの様々な求職者のニーズを整理し、積極的に自社の魅力を発信する必要があるのです。

採用マーケティングのメリット

次に、採用マーケティングを行う企業のメリットをみていきましょう。

企業の認知拡大

採用ブランディングは、言い換えれば「自社のファンをつくる」活動です。

幅広く情報発信を行うため、将来自社を志望する可能性のある潜在層にも認知拡大が期待できます。

また、自社のポジティブな発信を続けることで競合との差別化になり、より求職者に自社を選んでもらいやすくなるでしょう。

応募総数の増加

採用マーケティングは潜在層も含めた幅広いターゲットにアプローチするため、効果が出始めれば従来の採用活動よりも応募者を増やすことができます。

選考にかける母数が増えれば増えるほど、企業は理想的な人材を選抜しやすくなるでしょう。

内定辞退や早期離職の予防

採用マーケティングの施策では、求職者のニーズを理解し、求められる情報の発信や、満足度の高い環境整備を行います。

入社前に企業研究が済んでいるケースがほとんどなので、採用のミスマッチが起こりにくく、内定辞退や早期離職の予防になります。

採用コスト削減

採用マーケティングではマーケティングの視点で施策を展開するため、

  • 採用広告費やエージェント利用費の最適化
  • コンテンツを資産として蓄積して費用対効果を高める
  • 採用後の定着率向上により雇用コスト・育成コストなどを削減
などの採用コスト削減効果が期待できます。

採用マーケティングの5ステップ

それでは、実際に採用マーケティングの実践方法についてみていきましょう。

ステップ1.自社分析を行う

まずは、自社がどのような企業なのか、求職者に対して何をアピールすべきかを分析・整理します。

  • 経営理念・ビジョン
  • 企業カルチャー
  • 事業戦略・強み弱み
  • 給与水準・福利厚生
  • 働き方

など、他社との差別化ポイントを明確に言語化しましょう。
3C分析や、SWOT分析のような企業分析に用いるフレームワークを使うとスムーズです。

ステップ2.ペルソナを設定する

次に、自社が採用したい理想的な候補者像(ペルソナ)を設定します。
候補者に刺さる情報発信をするためにも、採用したいターゲット層に応じて、

  • 年齢・現収入・住所など
  • キャリア
  • スキル
  • パーソナリティ
  • 転職理由

などを具体的に掘り下げておきましょう。

ターゲット層の分類

採用マーケティングのターゲット層は、以下の通りです。

  1. 潜在層:まだ自社を知らない人材
  2. 顕在層:自社に応募し、選考中の人材
  3. 将来の潜在層:すぐには転職しないが入社意欲のある人材
  4. アルムナイ(出戻り採用):一度退職した社員の再雇用
  5. 不採用・内定辞退者:過去の選考参加者の最候補者化
  6. 既存顧客:入社後の自社社員の満足度を高め、リファラル採用につなげる
それぞれアピールすべき内容は異なるため、ペルソナを作り分けておくのがおすすめです。

ステップ3.キャンディデイトジャーニーの設計

キャンディデイトジャーニーは、採用マーケティングにおけるカスタマージャーニーです。
求職者が自社を認知してからの行動や興味・感情のストーリーをを時間軸で表して視覚化しています。

ステップ4.アプローチ手法の選定

設定したキャンディデイトジャーニーと採用ファネルに基づいて、各段階で最適なアプローチ手法を選定します。具体的には、

  • オウンドメディア
  • 自社ブログ
  • SNS
  • 動画配信やポッドキャスト
  • イベント・ウェビナー
  • カジュアル面接

など、求職者のモチベーションがあがるようなコンテンツ・チャネル設定が重要です。

ステップ5.効果測定

採用マーケティングでは、マーケティングの視点に基づいて客観的に施策の効果測定と改善を行います。

  • エントリー率
  • 採用サイトのPV数
  • メール開封率
  • 採用広告のクリック率
  • 面接実施率
など、データに基づいてPDCAを回すことで採用効率を高めていきましょう。

採用マーケティングの注意点

メリットの多い採用マーケティングですが、知っておくべき注意点もあります。

短期的には成果を出すことが難しい

採用マーケティングは、求職者のニーズ把握や地道なコンテンツの発信など、長期的な視点での戦略展開が求められます。

そのため、成果が出るにはやや時間が必要なことを社内で共有しておきましょう。

人事体制の再構築が必要

採用マーケティングは効果が出るまで時間がかかるため、導入初期は従来の採用活動と並行して行う必要があります。

そのため人事担当者に負荷がかかりすぎないよう、事前の人員補充や外部企業のサポートなど、採用マーケティングを実施できる体制を構築しておくことが大切です。

マーケティングの視点で採用活動に革命を!

採用マーケティングは、採用競争が激化する現代で理想の人材を確保するために欠かせない手法です。

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