検索エンジンを活用して集客を考える企業にとって、「ゼロクリック検索」という言葉はここ数年でよく耳にするようになりました。「検索結果でクリックされない」という現象は、SEOに大きな影響を与えています。
今回は、ゼロクリック検索とは何か、そして企業のマーケティング担当者が今押さえておくべき3つのポイントを解説します。
執筆:ナーシー(過去のインタビューはこちら)
コクーのマーケティング担当。鹿児島県出身。数年前まで美容コスメ・雑誌・不動産・IT業界の顧客マーケティングを担当。好きな豆腐は木綿。
たとえば「大阪の天気」と検索すると、Googleの検索画面に天気予報が表示され、わざわざ天気予報サイトにアクセスする必要がない、というのが典型的な例です。
最近では、検索エンジン上に
などが表示されることで、ユーザーはクリックせずに必要な情報を得られるケースが増えています。
つまり、せっかく上位表示を取っても「アクセスにつながらない」事態が増えているのです。
ゼロクリック検索が増えた背景には、「ユーザーの検索意図に即時に応える検索エンジンの進化」があります。
単純な定義や数値であれば検索結果に直接表示されるため、従来のような「情報提供だけの記事」は流入を得にくくなりました。これからは、ユーザーが「さらに深く知りたい」「具体的な事例を見たい」と思うようなコンテンツを作ることが重要です。
ゼロクリック検索を「脅威」と捉えるだけでなく、「露出の場」として活かす視点も大切です。
たとえば、強調スニペットに自社コンテンツが表示されれば、クリックされなくても認知拡大やブランド信頼の獲得につながります。また、Googleマップやナレッジパネルへの情報登録を充実させることで、検索ユーザーに正確な情報を届けられます。
ゼロクリック検索が増えている以上、「SEOだけで集客を完結させる」発想はリスクが高くなります。
検索エンジン以外のタッチポイントをどう設計するかが、成果に直結するのです。
たとえば…
こうしたチャネルを組み合わせ、「SEO=入口」「その後の導線=成果」という全体設計を描くことで、ゼロクリック時代でも安定した成果を実現できます。
ここまで紹介した3つのポイントは、ゼロクリック時代に対応するための基本的な考え方です。
ただし、これらを実行するうえで「短期的な成果」と「長期的な成果」の両方を意識することが大切です。
両輪で動くことで、ゼロクリック検索に左右されない安定した集客基盤がつくれます。
検索に表示される時点で「信頼性があるサイト」と認識されるため、直接のクリックがなくてもブランドの信用づくりには大きな意味があります。
あるBtoBソフトウェア会社では、これまで
といった記事を中心にSEO対策をしていました。
しかしゼロクリック検索の影響で、記事が上位表示されても流入数が伸びにくい状況に直面しました。
そこで戦略を変更し、次の3点に取り組みました。
結果として、「記事単体での流入」こそ減ったものの、ホワイトペーパーのダウンロード数は以前の1.8倍に増加。また、営業現場から「事例があるので提案がスムーズになった」という声もあがりました。
ゼロクリック検索の拡大は、従来型のSEO戦略に大きな変化をもたらしています。
しかし「クリックされない=無意味」ではなく、「検索結果に表示される=信頼と認知の獲得」と捉えることができます。
これらを実践することで、ゼロクリック検索時代においても成果を伸ばしていくことが可能です。
「SEOが効かない」と感じるときこそ、マーケティング全体を見直すチャンス。
短期・長期の両面で戦略を設計し、企業の成長につなげていきましょう。
コクー株式会社の「デジマ女子」では、SEOや広告運用、SNS活用など、デジタルマーケティング全般を伴走型でサポートしています。「検索流入が思うように増えない」「何から改善すればいいかわからない」といった課題を一緒に整理し、最適な施策をご提案します。