オウンドメディアとは、企業が独自に運用するユーザー向けのメディアのことです。
近年、集客や売上などの課題を解決する手段として、多数の企業がオウンドメディアの運用に取り組んでいます。
しかしオウンドメディアの設計やKPIを明確にしておかなければ、
という結果になりかねません。
そこで今回はオウンドメディアを効果的に運用するための、基礎知識やメリットから、効果的な設計方法、運用の注意点までを網羅してご紹介します。
オウンドメディアは正しく運用できれば企業の強力な資産となるため、この記事を読みながら自社メディアの在り方を見直してみましょう。
ここではオウンドメディアを運用する際に、知っておくべき基礎知識や主な目的・メリットをご紹介します。
オウンドメディアとは、WEBサイトやブログなど企業が運用しているメディアの総称です。
顧客の購買意欲を高める「コンテンツマーケティング」の重要施策のひとつであり、
であるという特徴があります。
また、このオウンドメディアは
と並び、ユーザーに幅広くリーチするための「トリプルメディア」のひとつです。
単なる情報メディアではなく、
など企業の事業課題を解決する手段として、オウンドメディア運用は注目を集めています。
オウンドメディアを立ち上げる場合、主な目的は
などのナーチャリング(顧客のニーズ育成)です。
ターゲットはキーワード検索でやってきた「悩みのある潜在顧客」であり、コンテンツを通じてその悩みを解決することで、顧客との信頼関係を構築したり商品理解を深めてもらいます。
そのためナーチャリングを成功させるためには、オウンドメディアを単なる情報媒体としてではなく、「どのように顧客の悩みを解決し、自社への関心を高め、売上へつなげるか」といった視点で計画的に設計することが重要です。
ナーチャリングについてはこちらの記事もご覧ください。
オウンドメディアを企業が運用する主なメリットは、
です。
SNSやWEB広告などは常に新しい情報を流さなければ飽きられてしまいますが、オウンドメディアは検索流入による「待ち」の集客ができます。
そのため広告費用をかけずに見込み顧客を増やし、売上につなげることが可能です。
また、自ら情報発信を行うことで自社のブランディングや差別化を効果的に行うことができ、企業の価値やイメージを向上させることにもつながります。
オウンドメディアは他のメディアに比べてコストをかけずに事業課題を解決することができます。
しかし、それは正しく設計し戦略に沿って計画的に運用された場合です。ここでは、オウンドメディアの設計手順、運用計画のたてかたを順を追って解説します。
まずは、オウンドメディアがなにを解決するためのものなのか「運用目的(KGI)」を決めましょう。
自社の抱える事業課題を分析し、運用目的や成果指標に反映させます。
など、目的は企業によって変わりますが、このKGIが明確に設定できているかが成功の可否をわけるポイントです。
次は「誰に」むけたメディアなのか詳細なペルソナを設計します。
単にターゲットを決めるのではなく、
から「どんなユーザーが何に困っているか」を綿密に具体化します。
事前に
を行っておくとスムーズです。
ペルソナが設計できたら、その悩みを解決するために自社の「何を」コンテンツとして提供できるのかコンセプトを決めます。
なおコンセプトはユーザーに選ばれるかどうかのポイントになるため、自社の強みを活かせるもので、かつ競合他社と差別化を図れるもの、統一性のあるものにしましょう。
コンセプトに沿って、顧客の購買行動である「カスタマージャーニー」を設計しましょう。
オウンドメディアでは、ペルソナの悩み事を解決するコンテンツが「フック(興味・関心)」になるものの、その後に成約へ結びつくまでは「再検索」「比較」などの購買プロセスを経過するため成約までに時間がかかります。
そのため、マーケティングファネルやAISASのような購買モデルを参考にしながら、具体的なストーリーを描くようにしましょう。
マーケティングファネルについてはこちらの記事もご覧ください。
CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)とは、オウンドメディアのコンテンツである文章やクリエイティブを一括管理できる、Word Pressのようなツールのことです。
などを精査して決定します。
KPIは最初に決めた運用目標をブレイクダウンした中間目標です。
PDCAを回しやすくするために、
を明確に決めておくことが大切です。
コンテンツカレンダーとは、コンテンツのルールや投稿を管理するための予定表です。
事前にコンテンツの内容
などを決めておくことで、オウンドメディアを戦略的に運用することができます。
また、バランスよくテーマを変えて投稿したり、複数人での管理をスムーズにしたり、炎上コンテンツを回避するなどの効果も期待できます。
メンバーのリソースや予算に応じて、最適な運用体制を構築します。
役割分担だけでなく、
するのか、予算配分なども決めておきましょう。
運用体制まで決まってから、はじめてコンテンツを制作します。
はじめはシンプルでかまわないので、コンテンツカレンダーに沿って順次投稿して行きましょう。
オウンドメディアの運用が始まったら、Googleアナリティクスやサーチコンソールなどのアクセス解析ツールを使用してデータ収集を行います。
定期的にデータを分析・効果測定を行い、KPIに沿って運用できているかPDCAを回すようにしましょう。
思ったように運用が進んでいない場合は、最初のスケジュールにこだわりすぎず柔軟に計画を変更してゆくことが大切です。
オウンドメディアを効果的に運用するには、いくつか注意点があります。
WEBメディアは変化が早いため、情報が古く怪しいものだとイメージダウンにつながってしまう危険性があります。
そのため常にユーザーを満足させるためにも、上質なコンテンツを継続的に制作し続けなければなりません。
コンテンツを充実させたとしても、検索流入が全くなければ意味がありません。
そのためタイトルや見出しにキーワードを入れたり、検索ボリュームを意識するなど適切なSEO対策を行い、検索上位を目指す必要があります。しかし、上位表示だけを意識するとユーザーが置き去りになってしまいがちです。
あくまでもオウンドメディアはユーザーの悩みを解決し、利便性を高めるための情報発信を続けるように運用しましょう。
オウンドメディア運用には多くのメリットがありますが、効果が出るまでに時間がかかります。
また、継続して良質なコンテンツを作成し続けるには、かなりの予算やリソースを割かなければならないことも覚悟しなければなりません。
もし、オウンドメディア運用がインハウスだけで対応しきれずにお困りでしたら、「デジマ女子」までご相談ください。
デジタルマーケティングの専門家が状況をヒアリングし、最適な解決策の提案や運用体制の業務効率化をトータルでサポートいたします。
オウンドメディアを戦略的に運用して、コストを抑えながら自社のファンを獲得してゆきましょう。