更新日:2024.08.05
目次
DX人材育成は、企業価値向上や競争力強化のために欠かせない重要なビジネス戦略のひとつです。
しかし「DXのためのエンジニアが確保できない」「ITスキルを持った人材がいない」など、思うようにDXが進んでいないのが現状です。
そこで本記事では、DX人材を育成するための知識や課題解決方法についてまとめて解説します。
など網羅してご紹介しますので、自社に今いる人材を思い浮かべながらDX戦略策定の参考になさってください。
DX人材とは、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)実現に必要なデジタル技術と、ビジネスパーソンとしての業務遂行力を兼ね備えた人材のことです。
経済産業省はDXを「業務プロセス改善だけでなく、ビジネスモデルを変革し競争上の優位性を確立する取り組み」と定義しているため、DX人材は単なる技術や専門性以上の多角的なスキルが要求されます。
DX人材が求められる背景は、単なるIT化推進だけではありません。
2000年代以降、日本の産業構造はパートや契約社員など非正規雇用が増加し、他の先進国に比べてデジタル化・生産性ともに停滞がみられるようになりました。
事実、経済産業省がDXレポートにて言及した「2025年の崖」では、日本の産業構造が現状のままだと国際的な競争力を失うため、2025年以降毎年12兆円の経済損失が生じると危機的状況を伝えています。
このような提言を受け、多くの企業がDXによる業務効率化やIT化にむけて動き始めました。
企業にとって、DXは単に生産性向上のための施策ではありません。
正しくDXを推進することでレガシーシステムからの脱却やデータ解析の高速化が進み、市場での優位性確保や競争力向上に直結するなどのメリットがあります。
グローバル市場のテクノロジーはめまぐるしく変化しているため、その進化に追いつくためにもDX人材の確保が欠かせないのです。
ここでは、より具体的にDX人材が習得すべき5つのスキルをみていきましょう。
データ分析とは、企業に蓄積したさまざまなデータを可視化・解析してビジネスの意思決定に活用することです。
特にデータ分析に特化した人材は「データサイエンティスト」とよばれています。
めまぐるしく変化を続ける市場で遅れを取らないために、素早く正確なデータ活用ができる人材は欠かせません。
大量の情報を処理するためにもコンピューターは必須なので、プログラミングはDXにとって欠かせないスキルです。
プログラミングの技術者を確保できれば、
など新技術を積極的に取り入れることができ、DXを進めやすくなります。
DX人材に必要なのはIT技術だけではありません。
新たなテクノロジーを実務レベルまで浸透させるため、DX人材にはリーダーシップや組織づくり能力が求められます。
メンバーに適切に指示を出し、デジタルツールを用いた新たな戦略策定を行うなど、さまざまな場面でプロジェクトマネジメントスキルが必要です。
DX推進には、社内チームだけでなく外部人材やサポート企業との連携が欠かせません。
多くのメンバーが関わるなかでさまざまな意見をまとめ、プロジェクトをリードするために、コミュニケーション力は重要なスキルです。
チェンジマネジメントとは、組織の変革に伴う混乱を最低限に抑え、社員が新しい環境に素早く対応できるよう管理する手法です。
DX推進では新しいツールや業務プロセスへの変更が不可欠なので、社員の気持ちを汲み取り変化へ適応できるようサポートできる人材が欠かせません。
社内の全員がDXに対して前向きに取り組めるよう、チェンジマネジメントのスキルを磨いておきましょう。
DX人材は慢性的に不足しているため、なかなか新規採用は難しいのが現状です。
そのため早めにDX人材を確保したい場合、自社社員向けにDX人材育成プログラムを作成しIT教育を実施していくことが大切です。
DX人材として研修対象にすべき人材は、
の社員たちです。
新入社員はまっさらな状態で入社してくるため、
をバランスよく身につけるのに最適です。
また、もともと研修機会も多く仕事量も少ないため、マインドセットしやすく学習機会を作りやすいこともメリットです。
リンクアカデミーの調査では、DXを阻害する要素として約4割が「管理職のITリテラシー不足」と回答しました。
そのため社内のDX化を進めるためには、まず経営層や管理職のDXリテラシーを高めることが重要です。
DX推進ではデジタルツール活用が必須条件なので、IT社員のDX教育は非常に重要なポイントになります。
また、IT関連の社員はもともとの基礎知識があるため、DX研修への適性が高く素早く育成が終わることもメリットです。
DX人材育成のための研修には、セミナー形式やワークショップ形式、座学やeラーニング、OJT、社内研修、社外研修などさまざまな教育方法があります。
研修対象や企業の状況・目的によって最適な研修方法を選択することが大切です。
DX人材育成のための研修プログラムは、以下の手順で構築します。
1.研修目的を明確化
まずは社内で進めるDX戦略を明確化し、研修目的を定義しましょう。
DXで業務プロセスをデジタル化したい場合と、DXによる新規ビジネスモデルを設計したい場合では、研修目的も内容も大きく異なります。
2.DX人材のスキルやキャリアなどを明確化
目的に応じて自社の求めるDX人材のスキルセットやキャリアパスを細分化し、育成内容やカリキュラムを決めます。
スキルの大枠については前述した「DX人材に求められる5つのスキル」から選択していくとよいでしょう。
3.研修対象の選出
社内のどのメンバーにDX研修を受講してもらうかを選別します。
受講者に必要な基礎スキルがあるか、研修内容からよく考えて選出することが大切です。
4.研修実施
実際にDX研修を実施します。
5.フォローアップ計画を立てる
受講者に実践機会やアウトプット用の研修を用意するなどフォローアップを行います。
また、同時に次の研修に向けてPDCAを行い、改善点を明確化することも重要です。
研修プログラムの作成にあたって、DX研修を急ぐあまり知識の詰め込み型の座学や講義ばかりになっては本末転倒です。
実践力のある真のDX人材を育成するためにも、必要に応じて社外講師やサポート企業の協力をあおぐことも検討してみましょう。
最後に、DX人材育成において乗り越えるべき課題を2つご紹介します。
DX教育において研修にかかる経費はもちろん、新システムの導入やIT人材の確保には多大な投資が必要です。
限られた予算内ですべてを実現するのは難しく、なかなかDX推進に踏み切れない企業も多いでしょう。
そのためDX人材育成では、IT人材の派遣や業務委託など積極的に外部リソースを活用して足りないリソースを補うことが重要です。
基本的にDXは既存業務を大幅に変更することになるため、現場の従業員にとっては抵抗感が強いものです。
すべての社員がモチベーション高くDX人材育成に取り組むために、まず目指すDXについて詳細に情報を開示し、全社員に正しく理解してもらうようにしましょう。
前向きにDXに取り組む風土をつくりだすために、従業員には継続的にDXへの学習機会を用意したり、外部企業の成功例を伝えるなどの努力を怠らないことも大切です。
DX人材育成は、多くの企業にとって今すぐ取り組むべき課題です。
しかし「講師になれるスキルを持った人材がいない」「DX研修のやり方がわからない」など、「自社だけで取り組むのはなかなか難しい」とお困りの方も多いのではないでしょうか。
当社では今抱えていらっしゃる課題をしっかりと把握し、解決のご提案・対応させていただくデジマ女子というDX人材の派遣サービスがございます。
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