MA(マーケティングオートメーション)は、リード(見込み客)の集客から顧客の購買活動までの過程を自動化する仕組みです。
効率的なマーケティング活動に欠かせないツールですが、専門用語が多く、正しく意味を理解するだけでも大変です。この記事では、MA機能に関する用語 、 マーケティング全般に関する用語、MAツールについて紹介します。用語やツールを理解しマーケティング活動に活用しましょう。
MA機能に関する用語
リード(見込み客)
自社の製品やサービスに興味・関心を示している個人や企業のことです。具体的には資料ダウンロードやブログ購読のために、コンタクト情報を提供し連絡の取れる状態となった相手です。
リードジェネレーション
新規リード(見込み客)を獲得する活動のことです。
ウェブサイトの資料ダウンロードやお問い合わせ、展示会やセミナーの名刺交換で、コンタクト情報を獲得しコミュニケーションのとれる状態にします。
リードナーチャリング
リード(見込み客)に対して、購買意欲を高める働きかけをすることです。
Eメールやウェビナーなどを通して、リード(見込み客)へ有益な情報を提供し、購買意欲を高め、商談へ結びつけます。
リードクオリフィケーション
リード(見込み客)の中から購買意欲の高い見込み客(ホットリード)を選別することです。
営業担当は、購買意思が固まっているリード(見込み客)へのアプローチに専念できるため、非常に効率的です。
スコアリング
リード(見込み客)の属性や行動をもとに点数を付けていくことです。点数の高いリードを購買意欲の高い見込み客(ホットリード)と考えます。
リード(見込み客)の属性や行動を数値化することで、アプローチすべき優先順位が明らかになり、効率的な営業活動を実現します。
シナリオ
リード(見込み客)が購入に至るまでの行動を想定し、それを実現するための道筋です。MAツールでは、「誰に・いつ・何を・どのように」というシナリオを設定しておきます。それによって、特定の行動を起こしたリード(見込み客)にあらかじめ設定している行動を自動的に返すことができます。
リードナーチャリングの成功には、良いシナリオ設計がかかせません。
セグメント
特定の条件をもとにリード(見込み客)を細分化して分類したグループのことです。セグメントに分類することを「セグメンテーション」といいます。
例えば、リード(見込み客)の年齢・性別・職業などの属性や、サイト閲覧やメール開封などの行動で分類します。
トラッキング
ある特定のサイトを訪問したユーザーの行動を追跡、分析することを指します。
ユーザーがどこからサイトに流入して、どのようなページをみて、資料請求や購買などの目標とする成果にたどりついたのかを追跡します。成果に結びつかなかった場合も、サイト内のどこで離脱してしまったのかを分析できます。
パーソナライズ
リード(見込み客)の興味・関心に合わせて、ウェブサイトやメールの表示を出し分ける手法です。
一人一人に合わせたコンテンツで、一貫したコミュニケーションを行えば、リード(見込み客)とも信頼関係を築けます。
リードナーチャリングを実施する上で、重要な手法です。
リスト
自社製品を購入したことのある「顧客リスト」、購入はしていないが資料請求やお問い合わせを行ったことのある「見込み客リスト」を指します。
リストの中身は企業により異なりますが、多くの場合は次のような情報が含まれます。
- 氏名
- 生年月日
- 電話番号
- メールアドレス
- 住所
- 流入経路
- 問い合わせ履歴
- 購入履歴など
データクレンジング(リストクレンジング)
リスト(顧客や見込み客)情報を整理することです。
データベースにあるデータを修正・整理・最適化する作業のことで、データクリーニングと呼ばれることもあります。
クレンジングの対象となるものは、次のようなデータです。
- 重複したデータ
- 誤記(人名のほか、法人名、部署名、メールアドレス、番地、ビル名などの表記ミス)
- 表記のゆれ(例えば、電話番号のハイフンの有無、西暦と和暦の混在などを統一します。)
- 古い情報
オプトイン
ユーザーへ事前に許可を求め、同意を得ることを「オプトイン」といいます。
メール配信の際、同意したユーザーにのみ配信し、同意が取れなかったユーザーには配信することができません。
オプトアウト
ユーザーに許可を取ることなく、メールや広告などを送りつけることを「オプトアウト」といいます。
また、メールを受け取った後にユーザーが拒否する意思を示すこと(メールマガジンの配信停止)もオプトアウトといいます。
エンゲージメント
消費者が企業や商品やブランドに対し、高いロイヤルティーや好感を持つことによって構築される深い関係性のことです。このように愛着度の強い顧客は、商品やブランドの浸透を自ら進んで周囲に働きかけています。
LP(Landing Page/ランディングページ)
リスティング広告や自然検索を経たユーザーが、最初に訪れるページのことです。Webマーケティングでは、一般的にCV獲得を目的とした1ページの縦長なウェブページを指すことが多いです。
メールマーケティング
メールを通じて、顧客とのコミュニケーションを図り、集客やコンバージョン獲得へつなげるマーケティング手段です。
開封率
メールマーケティングにおいて、送信が成功したメールのうち、受信者がメールを開封した割合を表す数値です。
指標は、「(開封数÷有効配信数)×100(%)」で求められます。
クリック率(CTR)
メールマーケティングにおいて、送信が成功したメールのうち、受信者がメール内のリンク(CTAボタンやテキストリンクなど)をクリックした割合を表す数値です。
指標は、「CTR(クリック率)=クリック数÷表示(インプレッション)数×100」で求められます。
HTMLメール
ウェブページを作るための言語「HTML」で作成されたメールのことです。
HTMLメールでは文字のフォントや色、大きさを変えるだけでなく、画像や動画を入れたり、自由にレイアウトすることが可能です。
HTMLメールを活用することで、より具体的なイメージを伝えたり、視覚的な訴求できます。
※テキストメールは、文字だけで構成されたシンプルなメールです。
CX(Customer Experience/カスタマーエクスペリエンス)
「顧客視点での体験」または「顧客体験価値」と訳されます。
商品やサービスの利用に対して、検討から購入、利用、サポートなど、一連の体験を価値と見なします。
購買プロセスも含まれるため、顧客だけでなくリード(見込み客)まで対象となります。
Cookie
Webサイトを訪問したユーザー情報をスマホやPC内のブラウザに一時的に保存する仕組みのことです。
保存される情報は、ID、パスワード、アドレスなどのユーザーの属性情報や訪問回数などのアクセス情報などさまざまです。2回目以降のアクセス時にはCookieに保存された情報をもとに、ユーザーにスムーズに情報を提供できます。
自動ログイン機能やネットショップのカートに商品を入れたままにしていても履歴を残しておく機能などがあり、ユーザーの操作の負担軽減も担っています。
API(Application Programming Interface)
アプリケーション同士をつなぐものです。
APIが一方のアプリケーションの情報を取り出し、もう一方のアプリケーションでその情報を利用します。
名刺を管理するアプリケーションとMAツールの連携など、さまざまな活用方法があります。
SFA(Sales Force Automation)
営業活動を管理するシステムのことです。
個人の営業能力に依存するのではなく、個人の持っている案件情報や営業履歴などをシステムへ入力することで一元管理します。また、情報共有により営業活動の効率化、受注確率の向上を図っていきます。
CRM(Customer Relation Management)
顧客関係管理を行うツール・システムのことです。
顧客がどのような動きをしたのかを管理・分析し、適切なコミュニケーションをとるために大きな役割を果たします。具体的には、顧客の購買履歴や購入日、会員情報、問い合わせ履歴などの情報を管理する機能があります。
DWH(Data Ware House/データウエアハウス)
意思決定を行うために使用される、大規模なデータを指します。
データウエアハウスに含まれる大量のデータは、社内アプリケーションや外部システムなど、さまざまな場所からもたらされます。
企業の意思決定には、データと分析が不可欠になっています。
インポート
システムにデータを取り込むことです。
エクスポート
システムからデータを外部に取り出すことです。
マーケティング全般に関する用語
ペルソナ
自社商品・サービスのターゲットとなるユーザー像を実存する人物のように詳細に設定することです。性別、年齢、職業、家族構成などの客観的な情報はもちろん、趣味、特技、ライフスタイル、価値観などの個人的な嗜好に至るまで、リアリティのある詳細な情報を落とし込んでいきます。ターゲットよりも、具体的で精度が高いです。
カスタマージャーニー
顧客が商品やサービスを認知して購入を決定するまでの認知→調査→比較・検討→購買からなるプロセスのことを指します。この一連の体験を「旅」になぞらえています。適切なカスタマージャーニーを構築することで、顧客目線でものごとをみることができ、顧客体験を改善し、ブランドへのロイヤルティを高めることができます。これを図式化したものがカスタマージャーニーマップです。
コンテンツマーケティング
リード(見込み客)にとって価値のある情報を、コンテンツとして提供し、CV(コンバージョン)につなげるマーケティング手法です。
有益な情報を継続的に提供し、段階的に関係性を深めることが大切です。
One to Oneマーケティング
一人一人に合わせた、最適なアプローチを行う、マーケティング手法です。
顧客やリード(見込み客)の属性や行動から、ニーズを読み取り、最適なコミュニケーションを行います。
ロードマップ
目標までの計画表(スケジュール表)のことです。
例えば企業がプロジェクトで売上目標を掲げたとして。その目標を達成するために、「新商品を開発する」「製造する」「発売する」といった計画を立て、それを図や表にまとめたものをロードマップといいます。
チーム内でロードマップを共有すると、プロジェクト全体を把握でき、メンバ-全員が成功までの道筋をイメージしやすくなります。
PDCA(Plan-Do-Check-Action)
業務の効率化を目指す、フレームワークです。
Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Action(改善)を1サイクルとし、サイクルを繰り返し回すことで、業務の改善を目指します。
「PDCAサイクル」という言い方もします。
LPO(Landing Page Optimization)
ランディングページ最適化のことです。
LPOは、LP(ランディングページ)を訪問したユーザーが欲しい情報を簡単に見つけられるようにしたり、途中で離脱しないよう工夫したりすることで、CVRを高めることを指します。
EFO(Entry Form Optimization)
入力フォーム最適化のことです。
商品購入や申し込みの際の入力フォームを簡単にし、スムーズに完了できるようにユーザーに合わせて入力フォームを最適化することを指します。
LTV(Life Time Value)
「顧客生涯価値」と訳されます。
ある顧客が取引を開始してから終わるまでに、自社に対してどれだけ利益をもたらすのかを、算出した指標です。
一般的に顧客が商品やサービス、またはブランドに対する愛着(顧客ロイヤルティー)が高いほど、LTVも高くなります。
代表的なMAツールの紹介
HubSpot(ハブスポット)
インバウンド手法という概念に基づいた上で、マーケティング、セールス、カスタマーサービスを一気通貫して利用できるツールです。
MA以外にも、SEO 支援機能、コンテンツ投稿&管理機能、LP作成&管理機能、見込み客リスト管理など、多くの機能を持っています。
Account Engagement(旧 Pardot)
BtoBに適したMAツールです。
スコアリングで確度の高い見込み客を特定します。見込み客の行動に伴い最適なアプローチが可能です。
SalesforceのCRMと連携することで、それぞれのデータを活かせます。
Marketo(マルケト)
見込み客の行動を分析し購買プロセスを可視化できます。
パーソナライズされた顧客体験をAIがサポートします。マーケティングと営業のスムーズな連携を支援し、価値ある顧客のフォローを実現します。
GENIEE MA(ジーニー)
日本製のMAツールでサポート体制も充実しており、安心して使い続けられます。
シンプルな機能設計で、直観的な操作が可能です。メール、LINE、SNS等、顧客の興味関心に応じた最適なチャネルでアプローチを実現します。
MAの理解を深めて業務効率化へ
いかがだったでしょうか。
MA機能に関する用語、マーケティング全般に関する用語はご理解いただけましたか。最後は代表的なMAツールも紹介いたしました。用語やツールを正しく理解して活用することで収益拡大に繋がります。MAツールを活用して自社の業務効率化を図り見込み客との信頼関係を構築していきましょう
MA(マーケティングオートメーション)で成果を出すためには、ペルソナの定義やシナリオ設計に加え、 ターゲット毎にメールやランディングページなどの コンテンツの準備、レポート分析など、多岐にわたります。
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