「MAツールの導入を検討しているけど、選定基準がわからない…」「MAってメール配信のイメージが強いけど、他にはどんなことができるの?」
このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
さまざまなMAツールがありますが、ツールによって特徴が異なります。
自社のサービス内容や「今後どんなマーケティングを展開していきたいか」というイメージを明確にした上で、MAツールを選定することが重要です。
また、「MA=メールマーケティング」と考えている方も多いのではないでしょうか。
MAはメールマーケティングをするためだけのツールではありません。
ツールによっては、自社で運営しているさまざまなチャネルを連携させることも、MAツール内でLPやフォームを作成することも可能です。
自社のマーケティング活動を一括管理して、施策全体の効果検証までできるのがMAツールの魅力です。
この記事では、MAツールを導入するメリットから選定のポイント、おすすめしたいMAツールの特徴までご紹介します。
メールマーケティングだけじゃない?MAを導入するメリットとは
MAツールの選定について説明する前に、まずはMAを活用するメリットについてご紹介します。
MAツールを導入したけれども、顧客に対してリストメールを配信することにしか活用できていない、という事例も少なくありません。
しかしこの状態では、MAツールを効果的に活用できているとは言えません。
MAはメールを配信するためのツールではなく、デジタルマーケティングの基幹となるツールです。
MAツールを活用するとなにができるのか、その特徴を解説していきます。
パーソナライズされた施策の展開が可能に
MAツールを導入することで、顧客によってパーソナライズされた施策の展開が可能です。
パーソナライズされた施策とは、単一的なマーケティングではなく、顧客一人一人の属性やアクティビティに応じて対応を変えていく施策です。
このようなマーケティングを可能にするには、自社が所有している顧客データをマーケティングに活かす仕組み作りが重要です。
MAツールを利用するメリットの一つは、自社のCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)と連携できることです。
CRMと連携することで、顧客の属性や活動のログをMA側に取り込み、この顧客データをもとにしたリストの作成が可能になります。
また、フォーム作成機能のあるMAツールを利用すれば、顧客データの収集もできます。
ツールによってはGAと連携させることもでき、顧客単位で自社サイト上のアクティビティを把握できます。
自社サイトを運営するにあたってGAを活用している企業も多いと思いますが、GA上での計測だけでは、サイト全体の傾向しか読み取ることができません。
GAとMAを連携させることで、顧客一人ひとりがサイト上でどんなページをどんな順番で閲覧しているかを確認でき、そのアクティビティをコンテンツ配信に活かすことができます。
自社のチャネルと連携して、総合的なマーケティング活動が可能に
MAツールによっては、自社が運営しているSNSやWEBサイト、デジタル広告など、複数チャネルを連携させて一貫したデジタル施策を展開していくことができます。
チャネルごとにタッチポイントがあっても、それぞれのチャネルが分断していては効果が半減してしまいます。
MAツールでそれぞれのチャネルを連携させ、「ウェブサイトでこのページを見た人にはこの広告を表示する、スマホを使用したときにこんなプッシュ通知をする」というような施策展開が可能です。
また、チャネルはデジタルだけではありません。
営業担当や店舗スタッフ、オペレーターとも連携をとり、オフラインチャネルも含めた一貫したマーケティング実施が重要です。
MAツールを活用すれば、「自社サービスに関心の高い行動をした顧客を営業担当に引き継ぐ」、「顧客が店舗に来店する前に、どの商品に関心を持っているかを店舗スタッフに知らせる」といった連携が可能です。
このように連携を実現することで、より確度の高い営業活動をアシストできます。
施策の自動化も可能に
MAを活用するとパーソナライズされた施策の展開が可能ですが、その分配信シナリオは複雑化し、配信パターンも多岐にわたります。
そのような施策を手動で行うには、リソース面の負担も大きく、配信ミスも発生しやすくなるでしょう。
MAツールを使用すれば、配信シナリオを自動化することが可能です。
「このメールを開封した人には、さらに2日後にこのメールを配信する」「このメールを開封しなかった人には、3日後にリマインドメールを配信する」といった複雑なシナリオが並行する場合も、条件の判断と配信アクションをすべて自動化できます。
自動化を設計する前には綿密な設計と十分な配信テストが必要ですが、その部分をクリアして一度設計ができると、リソースを無駄にすることなく、正確な配信を実現できます。
MAツールを選定する際のポイントとは?
一口にMAツールと言っても、展開するサービスによって適したツールは異なります。
MAツールを選定する際には、自社のサービスや目指すべきマーケティングの形、マーケティングチームの状況を理解した上でツールを選定することが重要です。
ここでは、MAツールを選定する上で明確にしたいポイントをご紹介します。
自社で展開しているサービスの内容に適した機能
リーズナブルなアパレル商品や消費財のような比較的安価な商材を扱っている場合、顧客の獲得にはさまざまなデジタルチャネルを駆使してタッチポイントを増やすことが重要です。
そのような販売戦略の場合は、チャネル連携に優れたMAツールが適しています。
自社で所有しているチャネルを連携させることで、顧客の趣向に合わせた商材を効果的にアピールすることができるでしょう。
一方で、高価な商材やサービスを取り扱っている場合は、顧客の購買意欲を育てていくようなマーケティング活動が適しています。
BtoB向けの商材だけでなく、BtoC向けの商材であっても、住居や自動車、投資関連のサービスといった高価な商材の場合は、WEBサイトを見て即決する顧客は少ないでしょう。
そのような商材を取り扱っている場合は、顧客のナーチャリング(育成活動)に優れたMAツールが適しています。
顧客の関心度を可視化するのに役立つスコアリング機能に優れたMAツールを選定することで、効果的なマーケティング活動が可能となるでしょう。
自社の顧客データをMAツールと連携させる方法
MAツールを活用する最大のメリットの一つは、自社が所有している顧客データに基づいたマーケティング活動ができることです。
このようなマーケティング活動を可能にするには、自社のCRMとMAを連携させて、リスト作成に必要な顧客情報をMA側に取り込む必要があります。
せっかくMAツールを導入しても、CRMと連携できなければ十分な効果を得ることができません。
MAツールを選定する際は、自社で使用しているCRMとの連携の相性や、開発によって連携できるかを確認しましょう。
また、MAツールに連携するべき顧客データは一元管理されているとは限りません。
例えば、顧客の購入履歴をもとに配信設計をする場合、顧客データと購入履歴に関するデータを事前に統合させる必要があるでしょう。
CRMとMAの連携だけでなく、データ統合の方法についても整理しておく必要があります。
MAツールを扱うメンバーの運用体制
MAツールを導入する際には、導入した後にMAツールを運用していく社内体制を考慮することが重要です。
さまざまなMAツールがありますが、運用していく上での難易度も異なります。
社内で専任チームが作れるようであれば使用方法の学習をしながら運用を進めていくことができますが、専任チームがいない場合は学習に割ける時間が少ない傾向にあります。
専任チームを作れる場合やシステム開発を担当するチームが在籍している場合は、多少設計が高度なツールであっても機能面に重点をおいてツールを選定して問題ないでしょう。
一方で専任チームを作ることが難しい場合は、UIがわかりやすく直感的に操作しやすいツールや、導入後のサポートが充実しているツールを選定することで、スムーズにMAツールを活用していけるでしょう。
おすすめのMAツール6選をご紹介
たくさんのMAツールが提供されていますが、ツールによって特徴や強みはさまざまです。
年間での契約となるツールもあり、導入後のツール変更が容易ではありません。
CRMやSFAと連携させて活用する点も、導入後のツール変更を難しくする一因です。
導入してから後悔しないためにも、各MAツールの特性を理解して、初期段階で自社にあったツールを選定することが重要です。
ここでは、代表的なMAツールの特徴や強みについてご紹介します。
B→dash
B→dashは、株式会社データXが提供する国産のMAツールです。
スコアリング機能、チャネル連携を含めて網羅的にカバーされているので、BtoB /BtoCを問わず、幅広く活用可能なMAツールです。
特徴的なのは、CDPも搭載されており、別々に格納された顧客データを統合する作業まで、データベース言語を使用せずに操作可能な点です。
見落としがちな部分ですが、このデータ形成は施策のもとになるリストを作成する上で非常に重要なので、特にシステム開発メンバーがいない場合にはおすすめのMAツールです。
オプションも充実しており、BI機能やCMS機能など網羅的にカバーできます。
「なにが必要でなにが不要か判断できない」「導入した後に足りない機能がないか不安」という方は、B→dashを選んでおくと安心といえるツールでしょう。
向いているサービス |
B to B / B to C |
強み |
リスト作成に必要なデータ統合も簡単にできる 必要な機能を網羅できる |
スコアリング機能 |
〇 |
チャネル連携 |
〇 |
CRM連携 |
〇 |
無料トライアル |
× |
サポート体制 |
◎ |
おすすめしたい人 |
自社にシステム開発メンバーがいない セキュリティ基準が厳しい 何を選んでいいのかわからない |
Account Engagement(旧Pardot)
Account Engagement(旧Pardot)は、セールスフォース社が提供しているMAツールの一つです。
BtoB向けのMAツールと言われており、見込み顧客をナーチャリングするための機能が充実しています。
顧客の行動に基づいたスコアリングだけでなく、自社目線から顧客を評価することができるグレーディングという機能も搭載されており、より多角的に顧客を評価できます。
また、名刺管理システムとの連携やSales cloud(SFA)とのシームレスな連携など、見込みの高い商談を効率的に創出し、アプローチすることに特化したMAツールです。
向いているサービス |
B to B |
強み |
多角的なスコアリングができる 営業支援に特化している |
スコアリング機能 |
◎ |
チャネル連携 |
△ |
CRM連携 |
○ |
無料トライアル |
× |
サポート体制 |
○ |
おすすめしたい人 |
セールスフォース社のCRM/SFAを利用している 商談型の商材やサービスを提供している セキュリティ基準が厳しい |
Account Engagement(旧Pardot)に関しては、こちらの記事もご覧ください。
MAツール「Account Engagement(旧 Pardot)」とは?特徴や使い方をご紹介します!
Salesforce Marketing Cloud
Salesforce Marketing Cloudは、セールスフォース社が提供しているMAツールの一つです。
Account Engagement(旧Pardot)がBtoB向けのMAツールであるのに対し、Marketing CloudはBtoC向けのMAツールと言われています。
デジタル広告やウェブレコメンド、プッシュ通知、SNSなど幅広いチャネルと連携することが可能なので、消費者がどんなデバイスを使ってどんなチャネルからアクセスしても、一貫したオムニチャネル施策を実現できます。
向いているサービス |
B to C |
強み |
幅広いチャネル連携が可能 オムニチャネル施策を実現できる |
スコアリング機能 |
ー |
チャネル連携 |
◎ |
CRM連携 |
○ |
無料トライアル |
× |
サポート体制 |
○ |
おすすめしたい人 |
セールスフォース社のCRM/SFAを利用している 集客型の商材やサービスを提供している セキュリティ基準が厳しい 自社で所有しているチャネルが多く、チャネル同士の連携が課題 |
Marketo Engage
Marketo Engageは、Adobe社が提供するMAツールの一つです。
Adobe社としてはBtoB向けという位置付けのようですが、チャネル連携も可能なので、BtoC向け商材での活用にも向いています。
多機能なMAツールですが、最大の特徴はMA上で高度な効果測定が可能な点です。
MAツールだけでは費用対効果の測定が難しい場合も多く、別途BIツールを使用したり、エクセルでクロス集計をしなければいけないことも少なくありません。
プロセス管理や費用対効果もしっかりと測定をしながら施策のPDCAをまわしていけるのが、Marketo Engageの強みと言えるでしょう。
向いているサービス |
B to B / B to C |
強み |
施策のプロセス管理や費用対効果の測定まで可能 |
スコアリング機能 |
○ |
チャネル連携 |
○ |
CRM連携 |
○ |
無料トライアル |
× |
サポート体制 |
○ |
おすすめしたい人 |
MAツール上で、費用対効果の測定までしっかり管理したい 専任チームを作って、本格的にMAを運用したい |
Hubspot
Hubspotは、その名のとおり、Hubspot社が提供しているプラットフォームです。
独立したMAツールではなく、マーケティング活動に必要なCRM、SFA、CMSなどのサービスも提供しており、「Marketing Hub」というMAの機能も含めて統合的なプラットフォームとして導入することが可能です。
最大の強みとしては、大半のプラットフォームに無料版があり、コストをかけることなく試運用が可能な点です。
向いているサービス |
B to B / B to C |
強み |
CRMやSFAに匹敵する機能もあり、プラットフォーム上でマーケティング活動に必要な機能を網羅できる ほとんどの機能に無料版がある |
スコアリング機能 |
○ |
チャネル連携 |
○ |
CRM連携 |
○ |
無料トライアル |
◎ |
サポート体制 |
○ |
おすすめしたい人 |
無料版からMAツールを試してみたい CRMやSFAを含めて導入を検討している |
SATORI
SATORIは、SATORI株式会社が提供している国産のMAツールです。
BtoC商材でも活用可能なツールですが、導入実績としてはBtoB向けの企業が大半となり、ややBtoB向けのMAツールだといえるでしょう。
最大の強みは、ウェブサイト上の匿名の顧客を実名化させ、マーケティングアプローチを可能とするリードジェネレーションの機能が充実している点です。
匿名顧客の段階でセグメント分けができたり、ウェブサイトを離脱した顧客にも再度アプローチができるなど、顧客の創出を課題としている企業にとって魅力的なツールだといえます。
また、運用準備のシンプルさや充実したサポート体制も特徴的で、専任チームがいない企業にもおすすめのツールです。
向いているサービス |
B to B / B to C |
強み |
匿名のリードを見込み顧客とするための機能が充実している |
スコアリング機能 |
○ |
チャネル連携 |
ー |
CRM連携 |
○ |
無料トライアル |
× |
サポート体制 |
◎ |
おすすめしたい人 |
無料版からMAツールを試してみたい CRMやSFAを含めて導入を検討している |
MAツールの選定と運用にお困りなら
この記事では、MAを導入するメリットから代表的なMAツールの特徴までご紹介しました。
課題別に大きく分けると、特におすすめのMAツールは下記のとおりです。
課題 |
おすすめのMAツール |
確度の高い商談を創出し、営業活動を効率化したい(BtoB向け商材、高単価商材など) |
Account Engagement(旧Pardot)、SATORI |
自社のチャネルを連携させて、消費者に一貫した アプローチがしたい(BtoC向け商材) |
Salesforce Marketing Cloud、Marketo Engage |
専任のチームやシステム開発チームがなく、 運用していけるか不安 |
b→dash、SATORI、Hubspot |
一口にMAと言っても、ツールによって得意とする領域はさまざまです。
自社のサービス内容と課題を明確にし、最適なMAツールを選定しましょう。
「MAツールを導入したいけど、どのツールを選ぶべきか分からない」「MAツールを導入した後、社内メンバーだけで運用していけるか不安」MAツールの導入に際して、このようなお悩みはないでしょうか。
MA活用の効果を最大限に発揮するには、デジタルマーケティングに関する知識とツールの理解が不可欠です。これらを持ち合わせた人財がMA運用を担当することで、得られる成果が変わってきます。
「デジマ女子」なら、MAツール選定のサポートから導入後の運用サポートまで、お客様の課題を理解した上で伴走支援いたします。
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