MA(マーケティングオートメーション)
MA運用の成果は、初期設計の精度によって大きく左右されると言えます。
更新日:2025.12.17

目次
マーケティングオートメーション(以下、MA)は、見込み顧客の獲得から育成、商談化までを効率化できるツールとして、多くの企業で導入が進んでいます。一方で、「MAを導入したものの、思うように成果が出ていない」「結局メール配信ツールとしてしか使えていない」といった声も少なくありません。
本コラムでは、MA運用で成果を出すために押さえておきたいポイントを整理するとともに、近年のマーケティング現場の実情を踏まえた運用の考え方をご紹介します。

執筆:檜田詩菜(過去のインタビューはこちら)
コクーのマーケティング担当。鹿児島県出身。数年前まで美容コスメ・雑誌・不動産・IT業界の顧客マーケティングを担当。好きな豆腐は木綿。
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MAは非常に多機能なツールです。
リード管理、スコアリング、ナーチャリング、行動履歴の可視化など、使いこなせばマーケティング施策の精度を大きく高めることができます。
しかし実際には、
導入後の設計が曖昧なまま運用が始まっている
担当者が他業務と兼務で、改善まで手が回らない
属人化し、担当者が変わると運用が止まってしまう
といった理由から、十分に活用できていないケースも多く見られます。

HubSpotが発表した「State of Marketing Report 2025」によると、多くの企業がMAをはじめとするデジタルマーケティングツールを導入している一方で、成果創出においては「運用体制」や「人材不足」が大きな課題になっていることが分かっています。
調査方法 :インターネット調査/マーケティング担当者アンケート
調査実施機関 :HubSpot, Inc.
調査レポート :State of Marketing Report 2025
調査実施期間 :2024年〜2025年
対象地域 :グローバル(日本を含む)
対象者 :BtoB/BtoC企業のマーケティング担当者・責任者 数千名
この調査では、「ツールは導入しているが、十分に活用できていない」「施策改善まで手が回らない」といった声が多く、ツール導入後の“運用フェーズ”が成果を左右する重要なポイントであることが示されています。
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ここからは、MA運用で成果を出す企業が共通して実践している4つのポイントを具体的にご紹介します。
MA運用で最初に取り組むべきなのが、目的とKPIを明確にした運用設計です。
成果を出している企業では、
MAの目的(リード獲得/育成/商談化など)
MAが担う役割と営業との連携ポイント
効果測定に使うKPI(CV数、商談化率、反応率など)
が事前に整理されています。
一方、目的やKPIが曖昧なまま運用を始めてしまうと、「数値は取れているが、何が成果なのか分からない」「改善すべきポイントが見えない」といった状態に陥りやすくなります。
MA運用の成果は、初期設計の精度によって大きく左右されると言えます。
MA運用が停滞する原因のひとつが、運用の属人化です。
成果を出している企業では、
シナリオやキャンペーンの命名規則
タグ・スコアリングの付与ルール
配信や更新作業の手順
といった運用ルールが明文化されています。
これにより、
担当者が変わっても運用が止まらない
過去施策の振り返りや改善がしやすい
チーム全体でMAを活用できる
といった状態を実現しています。
ルールが整備されていない場合、運用負荷が特定の担当者に集中し、継続的な改善が難しくなります。
MA運用では、小さな設定ミスが大きな影響につながることがあります。
成果を出している企業では、
配信前のチェックリスト
セグメント条件やリンク先の確認フロー
配信後の数値確認ルール
など、複数の目で確認する体制が整えられています。
こうしたチェック体制を持つことで、
誤配信や設定ミスの防止
ブランド毀損リスクの低減
数値の異常に早く気づける
といった効果が期待できます。
MA運用で最も差が出るのが、改善を回し続けられるかどうかです。
成果を出している企業では、
配信して終わりではなく、必ず数値を振り返る
改善仮説を立て、次の施策に反映する
定期的にシナリオやコンテンツを見直す
といったPDCAが継続的に回されています。
一方で、担当者が兼務であったり、リソースが不足している場合、改善まで手が回らず、MAが「作って終わり」の状態になりがちです。
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MA運用で成果を出す企業は、
設計
ルール
チェック
改善体制
という4つのポイントをバランスよく押さえています。
どれか一つが欠けるだけでも、運用は形骸化しやすくなります。
MAを単なるツールで終わらせないためにも、運用体制そのものを見直すことが重要です。
MAは、導入すること自体がゴールではありません。
重要なのは、運用を継続し、改善し続けられる体制を作ることです。
ツールの機能を最大限に活かすためにも、自社に合った運用体制を見直し、必要に応じて外部の力を取り入れることが、成果への近道と言えるでしょう。
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